5S活動を継続・社内に浸透させるためにはコミュニケーションは絶対不可欠です。
経営者様から聞かれることの多い質問に「5S活動を進めていく中で、社員はどんなことで悩んでいるのか?」という質問があります。
悩みは色々ありますが、もっとも多い悩み(問題)は社員さんが「やらされ感の中でやっている」ことです。
トップダウンの取組みが社員の自主性を損なう
ある時、弊社の5S活動セミナーに参加されたある会社の社員さんがこんなことを言われました。
「僕が一番5S活動に協力しないから、このセミナーに参加させられたんですよ」
こういった発言が生まれる背景には、5Sのトップダウン形式での取り組みが挙げられます。
上司の支持によって活動が進められたり、上司が勝手にやってしまうような進め方です。
例えば作業場の整理整頓を、現場を使っていない上司が勝手にやってしまうという事例がありました。
上司が形跡管理を行い、勝手に工具の定位置を決めてしまっていました。
その上司は良かれと思ってやっているけど、現場を使っている社員にしてみると効率が悪く使いにくい...
そして「相談もせずに勝手に変えられた」という気持ちになってしまいます。
部下の社員に前向きな改善の意欲があっても、上司が勝手に進めてしまうと、結局5Sは「指示されたことをやるだけ」の活動になってしまいます。
上司からすると、「全然自主的に取り組んでくれない」「上司はもっと意見を言って欲しい」という気持ちです。
こういった誤解・すれ違いがせっかくの5S活動を台無しにしてしまいます。
これを改善するには、しっかりコミュニケーションを取ることです。
5S活動をやる上でのコミュニケーションの重要性
5S活動を継続~浸透させるためには、コミュニケーションは絶対に欠かせない要素です。
私たちの行っている5S研修でも話し合いが主体で、社員さん同士での話し合いに一番時間を割いています。
毎月社員さん全員で集まってもらい、グループごとに社内の問題や改善策についてディスカッションしてもらっています。
問題や改善策、ルール作りなどを一からしっかり共有・納得して改善を進めていくので、誤解やすれ違いは起こりません。
そしてこの5Sのディスカッションを通して、対話に慣れてくるので、普段のコミュニケーションも活性化してきます。
これまでそういったディスカッションの機会がなかった職場ほど、取り入れたときの社員の変化に驚かれると思います。
さらにコミュニケーションが活性化するほど、社員の思考が前向きになってきます。
5S活動は、自分たちでルールを決めて、そのルールをしっかり守り、新しい良い風土を社内に根付かせていく活動です。
これはコミュニケーションなしでは上手くいきません。
コミュニケーションの少ない職場は、そこを改善するだけで一気によくなる可能性があります。
ぜひ取り組んでみてください。