弊社では5S活動研修ので色んな会社に行かせていただいているのですが、会社の方と初めてお話させてもらうとき「うちの会社では5Sに取り組んでます」と言われることがよくあります。
ところが実際見てみると、形では確かに5S活動しているんですが、あまり役に立たってないケースが多いです。
例えば
- 一見きれいに整ってはいるけど、やたらとモノが多い
- 見栄えはいいけど、効率が悪くて働きにくそう
- なぜこれがこんなところに?みたいなモノがある
- 不良品が減っていない
- 事故やケガが良くおっている
- 残業が減っていない
- 離職率が高いまま
- 5Sに時間をかけているが、社員にやらされ感がある
などです。
あなたの会社で当てはまるものはありませんか?
一つでもあれば、ここからまだまだ5Sで会社をよくしていくことができます!
「不良品」や「離職率」が5Sと関係があるの?と思われたかもしれませんが、大いにあります!
5Sのメリットを得るために社員全員が「5Sの目的」を理解する
5Sを行うとき、社員全員がしっかりと理解していなければならないのが「5Sの目的」です。
なぜ5S活動を行うのか、これが明確になっていなければ、活動は表面的で、いつまで経っても「やらされ活動」になってしまいます。
結果、本来5Sが持っている多くのメリットを生かすことができず、費用対効果の悪い取り組みになってしまいます。
その5Sの目的とは、ただ綺麗にすることではなくて、「安全」で「効率的」で「快適」な職場を目指すことです。
5Sは事故やケガが起こりやすい製造業から誕生しています。
そのためまず最初に安全第一、「事故を無くす」ためにどうすればよいかを目的にしています。
その上で作業に無駄なく、スムーズに素早く効率的に業務を行えること。
そして健康でストレスなく、快適で過ごしやすい環境を作るということが5Sをやる目的です。
これら5Sの目的を社員の皆さんがちゃんと理解してやっているかどうかで、成果に大きな差が出てきます。
例えば、「効率的にする」という目的を念頭に置いて活動しなければ、工具など一見きっちり整っているように並べてあるけど、実際使ってみると効率が悪い、整える前の方がやりやすかった、ということが起こってきます。
社員全員が、この「安全」「効率的」「快適」という3つの目的を突き詰めて、正しく活動を続けていくと、必ず事故やケガは減っていき、作業が楽でスピーディーになってきます。
さらに、改善個所がどんどん細かくなっていき、社員さんは色んな所に気が付くようになります。
「あんなところにゴミが落ちているな」「あそこが汚れているな」「ここの効率が悪いな」という風に社員さんの周囲への気づきの感度アップします。
そうすると機械などの異常に気付きやすくなり、事故や問題を未然に防げるようになります。
また作業が繊細になって、不良品率も低下していきます。
そうして働きやすい環境が整ってくると、おのずと離職率も低下してきます。
5Sの成果を感じられるようになってくると、社員さんは「やらされ」ではなく自主的に5S活動を行ってくれるようになってきます。
ということで、5Sを始める際は、5Sの3つの目的を社員全員に共通認識として理解してもらうようにしてください。
伝えるときは一人ひとり丁寧に
この5S活動の目的を社員さんに伝える際は、集まった時にまとめて伝えるのではなく、一人ひとり丁寧に話すことが効果的です。
まとめて伝えるとどうしても他人事になってスルーされやすくなります。
私たちスマイルシステムサポートが企業様で1年間の5S研修をさせていただくときは、活動スタート前にその会社の社長も含め、社員の方全員に個別面談を行い、5Sの目的とどんなメリットがあるのかをお伝えしています。
そのとき社員さんには「会社のどこに問題を感じているのか?」「どこを改善すべきと感じているか?」をヒアリングします。
社内で起きる問題の多くは、5Sで改善することができます。
聞き出した問題を解決する手段として5Sに取り組んでもらえるようになれば、活動の意義も深まり自主的に取り組んでもらいやすくなります。