弊社コンサルでは、5S活動の途中経過で、「KPT法」を用いて、社員さん達にこれまでの5S活動を振り返っていただいています。
今回は、「KPT法」による5S活動の振り返りについて。
KPT法とは
KPT法とは、プロジェクトの振り返りなので使われる手法で、別名「振り返り手法」とも呼ばれています。
「K」は「Keep」、「P」は「Problem」、「T」は「Try」の略です。
まず「K(Keep)」のブロックでは、そのプロジェクトを行ってきて「良かったこと」「このまま継続したいこと」の意見を出し合います。
次に「P(Problem)」のブロックでは、そのプロジェクトをやってきて「問題だったこと」についての意見を出し合います。
最後に「T(Try)」のブロックで、「これから挑戦したいこと」についての意見を出し合います。
この3つのステップで、プロジェクトを振り返り、新たな目標計画を立てていきます。
KPT法はプロジェクトのCheck機能を果たす
プロジェクトを行っていく上では、「計画(Plan)」「実行(Do)」「反省(Check)」「改善(Action)」のPDCAサイクルを回していくことが良いとされています。
しかし多くの場合、「計画」「実行」はされても、なかなか「反省(振り返り)」をしません。
実行したものに対して、振り返って反省をしなければ、プロジェクトをよりよく向上させていくことができません。
そんな時このKPT法は、振り返るための方法としてとても有効です。
Keep、Problem、Tryの三つの観点から振り返りを行うことで、普通では思いつかなかった新たな気づきが生まれます。
また、メンバーで意見を出し合い、いろんな意見に触れることで、感性が磨かれます。
これを定期的に行っていけば、メンバーそれぞれに「改善する意識」が生まれ、常に自主的に改善に取り組めるようになり、自然に改善活動が繰り返されるようになります。
そして、自然にPDCAサイクルができ、プロジェクトが少しずつ成功に近づいていきます。
5S活動をKPT法で振り返ろう
それでは、実際にこのKPT法を用いて、5S活動を振り返っていきましょう。
KPT法の準備
まず前提として、このKPT法による振り返りは、チーム全員で行います。
一人でやっても高い効果は得られません。
準備するのは大きな模造紙と、付箋(ポストイット)、各自筆記具のみです。
模造紙の代わりにホワイトボードでもOKです。
模造紙は半分に区切り、片方をさらに半分に区切ります。
そして図のように、「K」「P」「T」の文字を書きます。
これで準備はOK。
「K」良かったこと・継続したいこと
まずは付箋(ポストイット)などに、5S活動をやってきて「良かったこと」「このまま継続したいこと」を個々で記入していきます。
個々でというのがポイントで、最初からディスカッションすると他人の意見に流されてしまい、個性的な意見が出にくくなってしまうので、まずは相談せず一人で考えて書き出しましょう。
その時、一つの提案につき、付箋を一枚使います。
それぞれ書き終えたら、一人ずつ発表する形で付箋を貼っていきましょう。
その時同じ意見が出たらまとめて貼っていきます。
「P」問題点・改善点
今度は、同じく付箋に5S活動をやっていて出てきた「問題点」「改善すべき点」などを個々で記入していきます。
先ほど同様、書ききったところで、共有しながら貼り付けていきます。
ここでもし、「K」「T」の案が出てきたら、それぞれの付箋に書き留めておき、後で共有しましょう。
「Try」改善策・挑戦したいこと
最後に、5S活動をやる上で「これから挑戦したいこと」に加えて、「Tで出た事柄をさらに良くする方法」や「Pで出た問題点に対する改善策」を個々で付箋に書いていきましょう。
ここでのポイントは、「具体案を出すこと」です。
書き終えたら共有しながら貼り付けていき、その上でディスカッションします。
そして、その中で「これは実際に取り組もう」という案件について、いつ誰がやるかの計画を立てましょう。
定期的KPTしよう
最初は難しくて意見も少ないかもしれませんが、回を重ねるごとに上達して意見も出るようになってきます。
またお互いの意見を共有し合っていくことで、チームの結束力も高まります。
次第に5S活動は洗練されていきます。
ぜひ5S活動の振り返りにこのKPT法を利用してみて下さい。