今回は、病院や介護現場における5S活動の「清潔」「躾(しつけ)」について解説します。
5S活動とは「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の略で、整理から始め、整頓、清掃と進めていきます。
今回は、清掃の次の「清潔」「躾」について。
病院・医療現場における5S活動「清潔」とは
「清潔」とは、5Sの最初の「整理」「整頓」「清掃」の3Sが標準化(ルール化)されて、それが維持されている状態を言います。
- 「整理」とは、要るモノと要らないモノ急がないモノに分類して、要らないモノを処分すること
- 「整頓」要なものをいつでも、だれでも、すぐに取り出せるようにすること
- 「清掃」誰がやっても同じきれいな状態を維持すること
これらの3S活動が、病院や施設内でスタッフみんなが同じようにできるように標準化され、それが途切れることなく継続されている状態です。
大事なのは、立場や役職関係なく職員全員ができることです。
ルールを決めても忘れたり、守れないことが必ず出てきます。それが人間です。
その時、ルールを守らなかった人ではなく、「ルールの方に問題がある」と考えてください。
その上で「どうするればみんなが守れるか?」をスタッフみんなで考えて、話し合ってルールを改善していきましょう。
5Sで大切のは「みんなでルールを決めて、決めたことをみんなで守っていくこと」です。
立場関係なくスタッフみんなが同じ意識を持って取り組くんでいくことがとても大事です。
ここが崩れると5S活動は失敗に終わります。
活動を行なっていく中で問題があればみんなで振り返って原因を洗い出して改善していく。
これを繰り返していくことで「清潔」な状態になっていきます。
そしてその次の段階が「躾(しつけ)」の状態です。
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病院・医療現場における5S活動「躾」とは
5S活動のしつけとは、「清潔な状態が習慣化し、当たり前になっている状態」です。
「しつけ」と聞くと、子供やペットをしつけるように、上から下の者に対して言うことを聞かせる、ルールを守らせるというようなイメージで捉えられがちなんですが、そういった意味ではありません。
先に紹介した「清潔」の状態がしっかり継続して、それがみんなにとって当たり前、無意識に出来ている状態が「躾」です。
この状態まで来ると「ルールは守る」という風土ができているので、5Sに限らず当たり前のことが当たり前にできるようになります。
例えば、挨拶であったり、身だしなみであったり、報連相であったり、時間を守ることであったり。
こういったことが無意識に自然にできるようになっていきます。
そして組織全体の感性が高まって、色んな事に気づくようになります。
職員さんは職場の些細な変化や異常にいち早く気づいて、改善しないと気持ち悪いという感覚になるので、早期に対処できるようになり、ミスや事故を事前に防げるようになります。
結果としてコミュニケーションが活性化され、チームワークも良くなり、スタッフ一人ひとりが当事者意識を持って仕事するようになっています。
これが5S活動の「しつけ」の状態です。
まとめ
「清潔」とは、整理、整頓、清掃の3Sが標準化(ルール化)されて、それが維持されている状態。
「躾」とは、清潔な状態が習慣化し、当たり前になっている状態。
5S活動はモノの整理整頓から始めますが、3Sをスタッフ全員で徹底して継続していくことが、清潔、躾に繋がっていきます。
それが最終的に感性の高い組織を作り、ヒューマンエラーを無くし、サービスやチームワークを向上させていきます。
ここまで到達するには時間はかかりますが、取り組めば少しずつですが必ず安全で効率的で快適な職場になっていきます。
5S活動で大事なのは、「みんなでルールを決めて、決めたことをみんなで守っていくこと」です。
これを念頭に置いて、ぜひ快適な職場づくりのために取り組んでいただきたいと思います。