多くの会社で5S活動の整理・整頓や清掃などができない原因を分析していったとき、たどり着く答えがあります。
その答えは「ルールが決まっていないから」です。
5Sルールが決まっていないことの弊害
整理の場合
例えば「整理」の場合。
5S活動の進め方①5Sの整理とは?意味と目的、進め方のポイント
会社も家庭と同じで、放っておくと、モノはどんどん溜まっていきます。
必要なモノなら良いですが、要らないモノ、何年も使っていなくて、今後使われるかわからないモノ。
「いつか使うかも...」と言って、5年も10年も眠っているものが増えると、たちまちスペースは埋め尽くされます。
そして、モノが増えれば増えるほど探し物が多くなったりします。
必要なモノだけを残して、要らないモノは処分していく、ということができれば、モノは溜まっていかないんですが、「モノを捨てる」という行為には心理的ハードルがかかってしまいます。
いつか使うかもしれない...と思うとなかなか捨てられないのが人情です。
でもそこを許してしまうと、際限なくモノが溜まってしまいます。
その結果、探し物が増えたり、スペースがなくなったり、非効率を生み、安全や快適さも低下させていきます。
そうならないために必要なのが「整理のルール」です。
整理のルールとは「何年間保管する」「何年使われなかったら処分する」というのを、はっきりと明確にしていくことです。
それによって、モノが増えない仕組みができます。
整頓の場合
整頓の場合ですと、例えば、モノの置き場所をしっかり考えて決めたわけではないけど、「成り行き上なんとなくそのあたり」で決まっている。
そういった会社さんは、けっこう多いように思います。
そうすると、
- 使う人によって戻す場所が変わる
- 使う人によって置き方が違う
- 戻ってこない
ということが起こりやすくなります。
また「量のルール」がないと、特に消耗品などは、必要以上に在庫が余ってしまったり、逆に少なくて発注のタイミングが遅れたりしやすくなります。
こういったこともすべて「ルールを決める」ことで、解消され、快適にしていくことができます。
清掃の場合
清掃の場合も、「どの場所を、誰が、どのように、どれくらいまで綺麗に掃除をするのか」というルールを決めておかなければ、清掃活動と、綺麗な状態を継続することができません。
このように「ルールづくり」は、5Sに取り組む上での必要不可欠な基盤で、5S活動のほとんどが「ルールを決める作業」になります。
このルールをしっかり標準化して、全社員が習慣的に守っていくことが、5Sの最終ステップ「しつけ」につながります。
では、ルールをどうやって決めていくかを次の項目でお伝えしていきます。
5Sルールの作り方
まず5Sルールを決める上で一番大事なのは、利用者が全員で話し合って、みんなの合意の上で決めることです。
部署でのルールは部署全員で話し合って決めましょう。
そうしなければ、守らない人が出てきます。
整理や整頓の場合は、モノ一つ一つにルールを決めていきましょう。
処分の基準や、定位置、定方向、定量、使い方のルールなど、すべてのモノにルールを決めていってください。
すべてのモノとなると、モノが多い職場ではとても大変かも知れませんが、この積み重ねが5S活動です。
コツコツ進んでいけば、少しずつですが、必ず効率が上がっていることを実感できます!
ここでもう一つポイントです。
一度決めたルールでも、運用していくと、うまく機能しないことも出てきます。
その時は、もう一度話し合って、ルールを改善してください。
5S活動は改善の積み重ねです。
少し面倒に感じるかもしれませんが、そうすることで必ず快適な職場になっていきます。