5S活動とは、主に会社や医療関係で行われる[整理・整頓・清掃・清潔・躾]の活動のことです。
この活動は、会社を「綺麗にしていきましょう」ということではなく、会社を「安全で効率的で快適にしていきましょう」という目的の活動です。
さて、この5つの中に「清掃」と「清潔」という似たようなワードが出てきます。
ちゃんと意味が分かっていなければ、活動もできませんし、効果も得られません。
今回はこの二つの言葉の意味の違いをお伝えしていきます。
5Sの意味
まずは5Sそれぞれの意味は次のようになっています。
- 整理
要るモノと、要らないモノを分類し、要らないものを捨てること - 整頓
要るモノを、誰にでも、すぐに取り出せるようにすること - 清掃
ゴミや汚れがない綺麗な状態を維持すること - 清潔
3S(整理・整頓・整頓)が維持されている状態 - 躾
3Sが定着し、決められたことを守れる風土になっている状態
一つひとつ独立して意味があり、これらを整理から順番にステップアップする形で活動を進めることで、「安全」で、「効率的」で、「快適」な職場環境に変えていくことができます。
それでは、「清掃」と「清潔」の違いを詳しく見ていきましょう。
5Sの「清掃」と「清潔」の違い
「清掃」は、「整理」と「整頓」が終わったあとの3つめのステップです。
「整理」では要るモノか要らないモノかを分類し、不要なモノを徹底的に処分していきます。
次の「整頓」では、残った必要なモノたちを、より使いやすい状態にしていく活動です。
これらが完了したら「清掃」に入っていくわけですが、5S活動の「清掃」は「ただお掃除していきましょう」ということではありません。
清掃のプロセスでは、しっかり「どんな状態まで綺麗にするか」という具体的な目標を設定し、それに向けて「だれが、いつ、どこを、どのような清掃方法で」行っていくかなど、ルールや手順を細かく決めていきます。
つまり、「理想的に綺麗な状態を維持し続ける」ことを目的に、ルールや仕組みを作っていくことが「清掃」の目的です。
続いてのステップが「清潔」です。
清潔は、ここまでの「整理・整頓・清掃」の3S活動を徹底して維持している状態を指します。
整理も整頓も清掃も、「ルールを決めて守っていくこと」が本質なので、「清潔」と言うよりは、「標準化」という言葉の方がしっくりきます。
5Sの英語版ではまさ「Standardize(標準化)」です。
標語として覚えやすく頭文字を「S」で統一しようとしたときに、日本語では他に適切な単語がなかったので、仕方なく「清潔」になったんじゃないかと思われます。
これはこのあとの「躾(しつけ)」も同じです。
まとめ
最後にまとめますと、5Sの「清掃」と「清潔」は
- 「清掃」とは「理想的に綺麗な状態を維持し続ける」ことを目的に、ルールや仕組みを作っていく活動のこと
- 「清潔」とは整理・整頓・清掃の3S活動のルールが決められ、守られている状態で、「標準化」というワードに置き換えてもらうと分かりやすい
ということです。
5S活動(3S活動)は順番が大事です!
これから活動を始められる方は、まず整理から徹底して始めるようにしてくださいね。
そして、「清潔」「躾」の状態になるまで頑張ってください!