今回は大阪の門真で、「軟質PVC・電線被覆のリサイクル」をされている株式会社 出水商店 様の5S活動の改善事例と5S活動の記録です。
出水商店様5S活動改善事例
ペンキ塗り直し
階段と踊り場の鉄にサビや汚れが溜まっていたので、ペンキを塗り直しました。
明るくきれいになったことで安全面も向上しました。
明るい環境は気持ちも明るくなるのでとても重要な要素です。
トラテープによる注意喚起
工場内では、危険な場所にトラテープを徹底して張り巡らせ、注意喚起を行いました。
その他、以前は手すりもなく、油断する落ちてしまいそうな場所があったのですが、そこには囲いができて、しっかり注意喚起もなされていました。
働く環境は何より、5S活動は何より「安全」を目的とした活動です。
出水商店様の自慢の一つは、5S活動を始めてから事故が一切無くなったことです!
コンテナへの標示
バッカンコンテナには標示を行いました。
確認時間が削減できるので、時間に出てきました。
発注の仕組み
消耗品に対して「適正量」もしっかり表示されていて、社員さんのアイデアでその適正量を維持する仕組みまで考えられていました。
これは、「発注したら札を裏向ける」というシンプルで分かりやすい仕組みです。
社員さんのアイデアで生まれました。
作業道具の片抜きの形跡管理(姿絵)
ばらばらに雑然としまっていた作業道具は、しっかりと整理(モノの分類、要らないモノ処分)して、で定位置化。
必要なモノがすぐに取り出せて、戻しやすく、探すことがなくなります。
こちらは、まだ型抜きしていませんが、効率的な配置を検証中とのことです。
書類の引き出しにテプラ標示
書類の引き出しは、明確に分類して定位置化し、テプラにて標示を行いました。
段が多いほど、どこに何があるか分かりづらく、探すことが増えてくるので、標示はとても重要です。
5S活動開始2年での社員さんの変化
今回の活動は、すべて1階のメンバーが2階のメンバーに協力し、サポートしてくれているおかげで進みました。
5S活動を始めてからおよそ2年。
「自分の持ち場を綺麗にすればいい」という考え方から、「全員で会社全体を良くしなければいけない」という風土に変わってきてくれました。
始めた当初は、そんな雰囲気ではありませんでした。
お互いに階も別々なので、自分の持ち場しか見えていない状況でした。
それがこの2年間の5S活動を通して、自分の持ち場以外の仕事や状況が見えてくるようになり、助け合ったり、手伝ったりという気持ちが自然と湧いてきました。
5S会議で見えた社員さんの変貌ぶり
今日の話し合いの時間には、社員さんから今後の課題もどんどん出てきました。
それどころか「もっと会社の戦略まで考えたい!」という意欲的な言葉が出てきて、その社員さんの変わり様に感動させられました。
この日はたまたま他社の社長様が見学に来られたんですが、その方からは「アットホームな雰囲気でありながら、みんなで真剣に会社のことについて話し合っている姿は本当に素晴らしいと」とコメントをいただきました。
全員で会社を良くしようと話し合うことは、当たり前のようでなかなかできません。
最初は全く意見が出ない時期が続きました。
それは、意見をいいたくないワケではなく、「何を言っていいのかわからない」とか「自分の意見は間違っているかもしれない」という不安からでした。
言って笑われたり、否定されるぐらいなら言わないほうがいいと、自分を守るために発言しない社員さんがほとんどです。
しかし、否定は一切せず、しっかり一人ひとり全員から意見を聞く話し合いの形を取ってきたことで、徐々に意見が活発に出るようになり、戦略にまで発言してくれるようになりました。
社員さんがとても真剣に会社のことを考えて、発言や行動をしてくれるようになってきたので、これからますます5S活動にも会社の未来にも期待が持てます!
出水商店様の5S活動研修の記録
2017年5月~KPT法で5S活動の振り返り
今回の講座は「話し合いの手法」。
どんな手法かと言いますと、「KPT」と呼ばれる手法でこれまでの3S活動で「上手くいった点」「上手くいかなかった点」「改善策」を順番に思いつく限り上げてもらい、現状をしっかり分析して頂きます。
けっこう活発に意見が出て改善点も見えてきました。
5S活動開始からちょうど一年。3Sの活動はしっかり定着しており、社員一人ひとりが他人事ではなく自分事として考えてくれています。
まだまだ改善のハードルの高い問題も横たわっていますが、社員の皆さんは団結力も強く、すでに継続する力も備わっているので必ず改善していけます!
2017年9月~3時間みっちり話合い
前回コンサルで訪問させてもらった後、しっかりと作業効率を考えた改善が施行されていってます。
少しずつムダな時間が減っているを実感されているようです!
今回は5Sリーダーの社員さんから、今後の課題を解決するために話し合いをしたいという提案がありました。
提案された課題は、5S活動を続ける上では避けては通れない課題。
ということで当初の予定は変更して3時間みっちり話し合ってもらいました。
こちらで話をファシリテートし、従業員全員で意見を出し合ってもらいながら話を進め、次回までの目標までしっかりと決めました。
かなり濃厚な3時間となりました。
2017年11月~レゴブロックを使って生産効率を学ぶワーク
今回の講座では、レゴブロックを使った生産効率を考えるワークに取り組んでいただきました。
このワークは、設計図を見ながら目標の完成形に、いかに早く組み立てられるかをチームで競うというワークです。
最初に目標秒数を伝えると、大半の方が「絶対無理」と口にしていたのですが、進めていくうちに、みんなで意見を出し合いながらだんだんと思考も働き、アイデアも出てくるようになり、最後は目標を大きく超えた成果を出してくださいました。
「無理」で止まってしまうとそこで思考停止です。
しかし、それでも少しでも改善しようと進んでいくと必ず何かが見つかります。
そういった可能性を感じてもらえました。
2018年1月
出水商店様は5S活動(3S活動)を本格的に始めてから1年が経過。
今回は、この1年間の5S活動(3S活動)を振り返って、「どんな変化があったか?」「どんな気づきがあったか?」ということを、全社員さんにお伺いしました。
その時に社員様から出てきた意見に私は本当に感動しました。
とてもたくさんの意見や感想があったのですが、その中でも特に心に残ったものを紹介します。
- 最初は業務も忙しい中、「3S活動なんてできるわけがない!」と思っていたけど、 今はみんなで意識して自然に取り組むことができている。
- やっと不要なモノがなくなったので、ここからがスタートだ。みんなで、3S活動の定例会でミーティングすることによって、今までは気づかなかった人の得意分野がわかったり、 意見交換することによって、その人がどんな思いでそうしているのかわかるようになった。
- 3S活動は自分との闘い
- 最初はルールも何も決まっていなかったけど、今はみんなで協力して いろんなルールができたり、活動に取り組めた。
- 新人さんの気づきから改善できて安全になった。
- 習慣化してくると、他の部分も気になりだして、きれいにしたくなってきた。
- 自分たちで、課題がいっぱい出てくるので、とてもやりがいがある。
- 社長と社員のコミュニケーションがとれるようになった。
どれもこれも5S活動本当のメリットを理解しているからこそ出る素敵な意見ばかりです。本当に嬉しかったです。
これは本当に一生懸命、社員さんがみんなで協力し合って活動をしてきたからこその結果だと思います。
そして、社長様からもこのお様なご意見を聞くことが出来ました。
社員の意識が変わって、自分たちで考えて、提案してくれるようになった。
2018年6月
5S活動を始めて2年。
これまで「やらなきゃ」と言いながら、なかなか手が付けられず放置されていた「棚の整理」に着手されたことを報告してくださいました。
実際に拝見したところ、工場内が整理され、とてもすっきりしていました。
業務も忙しい中の活動ですが、1階の部署の方が2階の部署の活動を手伝うなど、お互い助け合いながら作業されていました。
チームワークも良くなっていってます!
今回の社内点検では、社員さんの気づきが以前よりかなり増えており、色んな問題点などの指摘が出て、それらに対しても、どんどん意見がでてきました。
それら意見をもう一度全員で整理し、今後しっかり実行に移せるように期限を決めて、スケジュールに落とし込んで頂きました。
出水商店様は、個々が自分たちで気づく、考える力が、とてもついてきているので、今度はそれを自分たちで計画を立てて実行し、振り返るというPDCAのサイクルが習慣にすることですね。