5S活動事例 5Sの改善事例集

オージック様の5S活動事例~ダンボールの定量と発注の仕組

①赤札作戦実施後の社員さんの気づき

オージック定例会180618

オージック様の3S活動が始まってから二回目の定例会。

活動報告の一部を紹介します。

 

前回は終わりに「不要なモノに赤札を貼る」という宿題を出したのですが、皆さましっかり取り組んでくださり、各所に赤札が貼られていました!

部署によっては、80点のモノに赤札を貼った部署もありました。

 

各所たくさんの不要なモノが処分でき、スッキリしました。

 

赤札作戦に実際取り組んでもらったところ、ほとんど部署から「思っていた以上に不要なモノが出てきた」という感想が聞かれました。

モノに関しては色んな気づきがありました。

赤札作戦での気づき

オージック定例会の様子

  • 現場に不必要なモノが多かった
  • 使用頻度が低いのに場所を取っているモノが多かった
  • 再利用しようと思ってたモノが予想以上に多かった
  • 要るか要らないか分からないモノが多いかった
  • いつか使うだろうと溜めていた段ボールが溜まりに溜まっていた
  • 今まで気に留めていないモノが不要であると判明した

このように、赤札作戦の実施で不用品が見える化したことで、ほとんどの部署のみなさんが「普段いかに不要なモノに囲まれていたか」ということに改めて気づかれたようでした。

部署によっては、今回だけでは貼りきれなかったそうです!

 
さらにこのような気づきもありました。
  • 必要最低限にしただけで使いやすくなった
  • 要らないモノが溜まって使い勝手が悪くなっていた  
このように、不要なモノがいかに、作業効率を下げているかということにも気づきます。
 
 
また、こんな意見もありました。
  • 共有スペースであるが故に「いつか誰かが捨てるだろう」という考えがみんなにあると感じた
  • 2人でやっても綺麗にできた。なぜ今まで出来なかったんだろう

人任せにしたり、大変だと勝手に思い込んだりして、気になってはいたけど、整理に手を付けられなかったというパターンです。

こういった気づきは働きやすい職場への第一歩です!

 

さらに、このような意見も出ました。

不用品の処分や元の場所に戻すということについてルールが必要だと感じた

3S活動の一番根底にある基本は「ルールを決めて、守ること」です。

これが、5Sの「清潔」「しつけ」に繋がっていきます。

 

初回の宿題に取り組んでみて、なかなか時間の取れないチームもありましたが、今後もっと工夫して進めれるようにと、

  • 週単位で予定を立てている部署
  • 部署内でエリア分けをして、一箇所ずつ確実に整理していく予定を立てている部署

など、それぞれ考えて下さっていました。

ミーティング

今回のミーティングでは、悩むモノ、今現状困っていることに対して、全員でルールを決めていただき、それを守れるように掲示板に掲示することになりました。

オージック定例会180620

3S活動は一夜にして会社が良くなるような魔法の薬ではないです。

しかし、このように、「気になったこと」について少しずつでも話し合いを重ねることで、社員みんなが「気づける人」になってきます。 
 
それは3S活動にとどまらず、その感性を普段のお仕事でも発揮し、色んなことをより良く「改善」していけるようになります。

 

②5S活動3ヶ月での社員さんの気づきやモチベーションの変化

活動を始めて約3ヶ月ということで、整理もどんどん進んで、社員さんに新たな気づきや、モチベーションへの変化が見えてきました。

 

整理が進み、工具の棚なども整備され、必要な工具がこれまでよりもすぐに取り出せるようになって、作業効率がとても上がっていました。

社員さん自身もその効果を実感され、『成果の実感に伴ってメンバーのモチベーションも上がってきた』という報告をして下さった社員さんもいました。

 

モチベーションについては

『まず初めに「不便」があって、そこに「改善のモチベーション」が生まれる。つまり「活動の先にどんなメリットがあるか」を提示することが5S活動継続につながる』

という気づきがあったことも報告して下さいました。

 

また『指示されて行動するより、考えて行動する方がクオリティーが高い』という気づきもありました。

 

自分たちでモチベーションを上げることに試行錯誤している様子が伺えます。

他にも、『5S活動を始めて、これまで踏み入ることがなかった場所や、気に留めなかったモノに対して、少しずつ関心を持つようになった』という報告もありました。

 

社員さんの感性が高まっているのが分かります。

これらは行動して初めて分かることなので、とても大きな進歩です。

5S活動3ヶ月で社員さんが気づいた問題点

3ヶ月活動を続けて、いろんな問題にも気づきました。

 

まず1番は業務がとても忙しいため、5S活動が疎かになってしまうことです。

これに関してはどこの会社様でもあり、しばらく続くかと思いますが、効率面での効果が出始めれば少しずつ解消されてきます。

 

他には、

『気を付けていなければ、すぐ乱れてしまう』

『誰にも処分の判断ができない資料が残ってしまう』

という報告が挙がりました。

 

これらの問題に関しては「まずしっかりとルールを決めること」が重要なのですが、それがなかなか難しいようです。

『ルールを決めた後も例外的な要素が多く現れた』という意見もあり、ルールを決めることに苦労をされている部署もありました。

 

今回のコンサルティングで私が気づいたこと

今回、3ヶ月目の活動を拝見して、今回私が改めに気づいたことがあります。

オージックさんでは、12部署に分かれて活動を進めてもらっているのですが、掲示板が上手く使えている部署の活動がとても活発だということです!

 

使い方は、まず「周知する内容を掲示板にしっかり掲示」「それでも出来ていないことについて改めて注意喚起する」これだけです。

この方法で5S活動を行っている部署の活動はよく進んでいます。

 

ちょっとしたやり方の違いがテコになって、活動全体に反映している例として、改めて掲示板の使い方の重要性を感じました。

 

③形跡管理を使った整頓で業務効率化

オージック本社

活動開始から4ヶ月。

 

全部で12の部署があり、スペースや人数、作業量なども違うので、ペースは違いますが、大半の部署が前月に立てた目標に沿って活動を進められました。

今月は大きな台風で、これまでにないような大きな被害が出たそうですが、そういった状況の中も仕事の合間で頑張って下さいました。

各所で作業効率アップの声

各部署整理を行って、要らないモノがどんどんなくなっていき、整頓も進んでいます。

 

こちらは形跡管理(姿絵)を使った定位置・定量化。

オージック本社姿絵

オージック本社姿絵

 

これまではざっくりと置かれていた治工具など が、種類別に分けられ、定位置を決めて標示を施したことで、1日あたり2分間の時間短縮が出来たという部署もありました。

一日2分はかなり大きな時間削減です。

 

他の部署でも「探す手間がなくなった」「作業効率がよくなった」という活動の報告がちらほらと寄せられました。

これまで整理整頓にあまり意識がなかった職場の場合、ちょっとした整頓でも、すぐにこのような効果が現れます!

少し頑張って整理整頓に時間を割くだけで、すぐに元が取れるようになるんです。

 

4ヶ月目、積極的な質問が増えてきました

今回はある部署から「発注の仕組を考えているのですが、何かいい案がないですか?」と積極的に質問をしてきてくれました。

社員さんからこのような前向きな意見が出るのは、とても嬉しい瞬間です!

 

5S活動が習慣化してきているな感じるのは、社員さんからこんな風に質問が来たり、これまで見えなかった問題点を報告してくれた時です。

失敗しても自分たちで考えて行動して欲しいので、ほんの少しだけアドバイスさせていただき、次回どんな改善策を考えて来られるかを楽しみにしたいと思います。

 

計画通りいっていないチームも、改めて年間計画を作り直すなど、自分たちで考えて計画的進めようと頑張って下さっています!

 

グループ討論でも、全員が以前より当事者として考え、活発に意見が出るようになってきました。

また、休憩中には部署を越えて「どうしたら、もっと効率的になるのか?」などを相談し合う姿がありました。

これからまた新たなアイデアが沢山出てきそうな予感がします。

4ヶ月目で聞こえた問題点

活動から4ヶ月、問題もまだまだあります。

 

ある部署のリーダーから「せっかく整理を行い、ルールを決めたが、また守らない方がいる」という問題提起がありました。

今は整理・整頓を進めている途中で、しっかりとした仕組化にまでは至っていないので、ついついルールを忘れてしまうことが出てきてしまいます。

 

ここからは知恵をしぼって「注意しなくても自然と守れる仕組み」を作ることが、5S活動の重要なポイントです。

 

他にも、まだ全員での活動ができず、リーダーや一部の人が頑張っている状況だという問題や、夜勤の人を巻き込めて活動が出来ていないという反省も聞かれました。

問題が見えているので、次は「なぜ?」「どうすれば?」という改善(PDCAのA)のプロセスです。

 

オージックさんでは、すでに社員同士で話し合うという機会が以前よりも持てるようになってきているので、必ずよい解決策が見つけ出せることと思います!

 

 

現在5S活動開始から5ヶ月。

今は全部で12部署でチームに分かれて5S活動を行っているのですが、頑張れているチームと遅れているチームでどんどん差が出てきました。

頑張ってくれているチームは本当に活動を楽しんでやってくれています。

 

今回の宿題は、「発注の仕組を作る」ということで、各部署で色々なアイデアがあったのですが、その中の一部をご紹介します。

 

④改善事例:生産管理部の発注の仕組み

パーツクリーナーの定量と発注の仕組み

生産管理部ではこれまでパーツクリーナーは、「各部署が持っていったら、残りの数をカウントして記入する」というルールがありました。

しかし、このやり方では、記入された残数と、実際の残数が合わなくなるという問題がよく起こっていました。

 

原因は、実際の数の残数を数えるのが面倒くさくなって、前の書いている数から、自分が持っていく数を引くだけにしてしまっていたこと。

これだと、持って行っても記入を忘れてしまうと、その度に数が狂っていきます。

 

そこで、社員さんは「いちいちカウントしなくていいようにするには?」と考えて次のような仕組みを考えられました。

缶の置く位置に数字を表記することで、「現在何本か?」が一目でわかり、「カウントせずに残数が分かる仕組み」が出来ました!

これによって、本数を数える時間を削減し、数え間違えるというミスもなくなりました。

また、残り少なくなってくると「残り何本で発注してください」というアナウンスの表示が出るようになっているので、発注もれもなくせます。

とてもよく考えられてますね!

ダンボールの定量と発注の仕組み

オージック様で使用されるダンボールはとても種類が多いのですが、発注数量は決まっていたものの、発注担当者の間でしか把握できず、 在庫確認にも時間もかかり、 月末の出荷ラッシュになると、 毎日在庫確認をしなければいけない状態でした。

 

 

そこで今回社員さんは、サイズ別に分類し、並べ直し、発注点にはプラカードを挟むという方法を考えました。

プラカードには、誰でも発注依頼ができるように、「発注の手順」が書かれています。

 

プラカードを裏返すと「現在発注中」と書かれており、それを見えるように立てかけるというルールにしました。

これによって、月末の「毎日在庫確認」という無駄な時間がなくなりました。

 

仕組みを作るのにとても時間はかかったと思いますが、仕組み化による無駄な時間の削減によって、すぐに取り返せますね。

このように作成時間に時間がかかったとしても、「そのムダによって年間どれだけの時間を失っているか」という高い視点で見て、改善に取り組むことが大事です。

今回社員さんからは、「“いかに楽するか”を合言葉に話し合いをすると、まだまだアイデアが出てくる」という報告がありました。

 

あなたの会社で「無駄な労力を使っているな」「もっと楽にできるんじゃないかな」という業務はありませんか?

ムダを省く改善がまだまだ眠っているはずです。

是非探してみて下さい。

 

 

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  • この記事を書いた人

(株)Smile System Support

全国で5S活動研修・セミナー・コンサルティング・講演活動を行っています。5S活動を通して社員一人ひとりが自ら考え行動する組織を作るお手伝いをしています。

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