このページでは、株式会社オージック(イセキテック事業部)様の3s活動の軌跡と活動アイデア事例をご紹介していきます。
前回記事の続きとなります。
- オージック・イセキテック事業部様の3S活動改善アイデア事例①
- オージック・イセキテック事業部様の3S活動改善アイデア事例②半年経過
- オージック・イセキテック事業部様の3S活動改善アイデア事例③
- オージック・イセキテック事業部様の3S活動改善アイデア事例④1年の成果
オージック様は歯車・精密ギアを製造している企業様です。
2018年04月~10ヶ月目の3S活動事例
前回は宿題として、清掃のルール決めなどお願いしたのですが、各部署、それぞれのフォーマットでルールを決め、チェックシートを作ってきてくださいました。
しっかりルールを決めたことによって、これまで滅多に掃除されなかった場所にも、定期的に清掃される機会が生まれました。
また、「清掃を分担したことで、それぞれが各場所の清掃に集中出来るようになった」という意見、
実際に取り組んでみて、改めて「整理・整頓を終えてから清掃に取りかからないとムダが多いと感じた」という発見もありました。
あとは決めたルールがちゃんと守っていけるのか、振り返りながら進めて行くという形です。
清掃以外にも、とても素晴らしい改善活動がありました。
生産管理チームでは、台車と台車置き場に対になる標示を。
戻す場所が明確になり、迷子にならなくなりました。
品質保証チームでは消耗品発注のアイデアがありました。
ルールは、
消耗品に発注カードを付けておき、なくなったらカードを「未発注」のかごに入れる。
発注したらカードを「発注済」に移し、該当の品が到着したら発注カードを付ける。
というサイクル。
このやり方に変えてから発注中の状況が見え、未発注放置や重複の危険性が大幅に無くなりました。
2018年05月~11ヶ月目の3S活動事例
今回の講座は、「KPT法」という手法で、これまで10ヶ月間の3S活動を振り返りました。
話し合いの様子を見て、その発表を聞いていると、本当に皆さんの考え方が変わったなと感じました。
どのチームからも「活動がリーダー任せになっている」という意見が聞こえてきました。
多くの社員さんに当事者意識が芽生えてきたということ。
他にも、「もっと定期的に3S活動すべきだ」という意見が聞かれ、それが最終的に、「全部署で同じ時間に3S会議を行い、その会議の結果を持ってリーダー会議をしよう」という話に発展しました。
この1ヶ月間での活動を紹介します。
旋盤チームは加工用バイトの形跡管理(姿絵)。
これを動かすと、下に写真が貼られています。
これで「今どれが使用中か」や、「正しい置き方」がより直感的に分かるようになりました。
また、各所で場所や、ルールの標示が進み、モノの置き場所や置き方などが整ってきました。
日に日に使いやすく、効率的に職場が進化しています。
2018年06月~12ヶ月目の3S活動事例
オージック・イセキテック事業部様は、個人面談から始まり、3S活動を開始してから一年が経ちました。
前向きなリーダーのいるチームに引っ張られる形で、どんどん活動は推進してきました。
その甲斐もあって、オージックの本社の方でも3Sの導入が決まり、見学に来られた他の企業様も、イセキテック様の社員さんの皆さんの姿をご覧になって導入を決められました。
とても素晴らしい3Sのお手本となる会社様に進化して下さいました。
そんなオージック・イセキテック事業部様の今月の活動報告です。
事務所は、上に積んでいたキャビネットを降ろされました。
防災上とても安全になり、とても空間に広さがでスッキリしました。
旋盤チームでは、チップ置き場を統一し、平置きしていたものを、斜めに立てかけて見やすく、取りやすくなりました。
あとは、これからどのように表示をするかが課題だそうです。
品質保証チームでは、前回のKPT法よる3S活動の反省を踏まえ「もっと見やすく、わかりやすく」という観点から活動を進めて下さいました。
こちらは、工具のキャビネットの中身が外から分かるように、中の配置を移したマップを貼り出すという工夫です。
些細なことですが大きな時短に繋がります。
また、コピー用紙のスペアのありかが分からず、事務所まで探しに行く人がいるという現状を受け、コピー自体に場所を記す表示を行いました。
ちょっとしたことですが、こちらも時間のロスがなくなります。
仕上げ研磨のチームでは、コツコツと引き出しの整頓が行われ、定位置化と標示が進んでいます。
どんどん綺麗に使いやすく進化しています。
生産管理チームでは、生産効率を上げるための仕組み化を進めて下さっています。
こちらは支給品管理のフォーマット。
若い社員さん達で話し合って作成しておられます!
オージック・イセキテック事業部様の3S活動1年間のプレゼン
今日は、1年間の集大成となる、3Sプレゼン大会を開催しました。
このプレゼン大会は、3S活動を本格的に開始してから、現在に至るまでの変化や、効果、経験や、感じたことなどを、各部署のリーダーからパワーポイントを使ってプレゼンしてもらいます。
オージック・イセキテック事業部様は、事務所、旋盤、生産管理、品質保証、フライス、仕上げ研磨、マシニングの7部署からの発表。
どのチームも個性があり、様々なモノの見方で、自分たちが良いという思うやり方で3S活動を進めて来られたのが分かりました。
そして、イセキテック事業部様の1年間の3S活動による効果を改めて実感することが出来ました。
1年間やってきた感想を聞くと、始めた当初は、どの部署にも「本当に意味があるのか?」「どうせ続かないんじゃないか」という半信半疑の方がおられたようです。
最初はただ私たちに言われるがまま課題をこなしている状態だったようです。
しかし5,6カ月経った頃から、徐々に効果を実感し始めて、楽しんで活動に取り組んで下さる方が少しずつ増えてきました。
そして、1年経った今、多くの社員さんが活動を前向きに捉え、自分たちに必要なものとして、これからもっと自分たちの職場を良くしていきたいという気持ちを伝えて下さいました。
1年経って本当に見違えました。
リーダーに抜擢された皆さんの中には、「なんで俺がそんなんせなあかんねん」という社員さんもおられました。
しかし回を重ねるごとに、話し合いをまとめたり、活動でリーダーシップを発揮してくれるようになりました。
今回のプレゼンでは1年前とは比べ物にならないほど、堂々と誇りを持って自分たちの活動を報告する姿がそこにはあり、胸を打たれるものがありました。
自分も頑張ろう!と思わせてくれるようなプレゼンでした。
できるなら多くの方に見て頂きたかったです。
社員さんの感想
プレゼンでは、社員さんから聞いた感想も寄せられており、多くの方から「効率的になり、モノを探す時間が大きく減った」という感想があったのですが、それ以外の面での変化や効果についての感想がありました。
一部の感想を抜粋して紹介します。
「やり始めた頃は、よくわからない事もあってやっても本当によくなるのか?とかマイナスに考える事もありました。しかしやっていくうちに、なんとなくよくなった実感もうまれ、成果が出るとやってて嬉しくなる事もありました。」
「3Sをやってみて、変わったことは、(中略)個人の意識が変わったこと。綺麗にしよう、使いやすくしようなど、それぞれが考える様になった。」
「今回のことで一番得たことは、発想力であります。どうすればきれいに簡単に、誰にでもわかりやすく、スピーディーにをテーマとして行うと、なかなか完成形が思いつかないもので、非常に刺激的な経験であり、これからもこの能力を伸ばしていければと感じます。次の時代の当たり前を発想し、アンテナを立てていきたいと思います。」
「今回3S活動を取り入れて、全員で考え、意見を出し合う大切さを知り、全員で取り組めば1年間でこんなに変わることを実感しました。今後も、スタート段階に立った所だという思いで、更なる向上を目指して取り組んでいきたいと思います。」
「当初、半信半疑で参加していたが、回数を重ねていくうちに工場内が整理整頓され環境が向上していった。またグループ内の活動では互いに意見を出し合いコミュニケーションが以前よりもとれるようになり関係性の向上にもつながった。今後は今を最低ラインとし、更に労働環境の改善をはかっていきたいと思います。」
よかったこと以外にも、反省点、これからの課題などを個々それぞれが認識して、これからこうしていいきたいという感想を持っておられました。
2年目の活動は更なる「安全」「快適」「効率的」を目指して、より良い職場環境にしていく皆さんを期待しつつ、しっかりお手伝いをさせていただきます。
1年間お疲れ様でした!