会議などでは、全員に意見を求めているのに、全く発言してくれない!
どうしてなのでしょう?
私が5S活動の研修(コンサル)で何社も見てきた中で感じた、その一番大きな要因は、社員さんは自分の意見を持っていなかったのではなく、発言することに慣れていないだけだということです。
会議の場で、みんなの前でいきなり自分の意見を言ってくれと言われても、自分の意見に自信がなければ発言しづらいものです。
また、思い切ってしてみた発言に対する反応が良くなかったり、否定されたりした経験が一度でもあれば、余計に発言は遠ざかってしまいます。
そうなると意見を求めても、仮に意見があっても発言がはばかられるということが起こってきます。
また、それが続くと発言をしないことを前提に、考えることにすらエネルギーを使わなくなってしまいます。
で、5S活動を通して、そんな社員さんたちから意見を聞き出せるようになるのはなぜか?
私たちが伝えている活動手法では、毎月、みんなで話し合う時間をめいっぱい作ります。
これは基本的にカイゼンの為の話し合いなんですが、定期的に繰り返すので「会議の練習」になります。
また、5S活動なので話し合いのテーマは「整理・整頓・清掃」が中心です。
まずは「どこそこが汚い」とか「モノが多い」とか、単純に目について気づいたことなどから意見を出し合っていくので、ハードルが低いんです。
そして、話し合いの場では、上司の方には予め「部下の意見を否定しないように」ということと、部下の提案については「5Sでの失敗は大した痛手にはならないので、どんどんトライさせて下さい」ということをお伝えしています。
失敗をしてもそのまま放置されるわけではなく、毎月の話し合いで改善策を話し合ってリトライする、というPDCAで進んでいくので、必ず成功にたどり着きます。
自分の意見が実行に移され、それが実現する。
成功体験の少ない社員さんにとっては、とても充足感を得られる体験であり、これが確実に自信になります。
すると自ずと意見が言いやすくなって、5S以外のことでも発言は増えてきます。
ここでようやく社員さんから意見が吸い出せるようになるのです。
力技では萎縮するだけ。
太陽と北風です。
まずは上司の意見の聞き方を見直して、社員さんの発言しやすテーマから話し合うことに慣れてもらう。
常に前向きで建設的な空気感を社内に作れるかがポイントです。
5Sをテーマにすると、業務改善につながっていきます。
ぜひ挑戦してみて下さい。