日本の会社には5S活動という活動があります。
これは、「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の取り組みで、世界中から注目されています。
日本でも製造業を中心に、色んな会社で取り入れられたり、本格的な取り組みはしていないものの標語として壁に飾られてたりします。
この5Sには、それぞれしっかりと意味があるのですが、ちゃんと正しく理解している方は意外に少ないです。
特に最後の「躾」の意味が誤解されがちです。
そこで今回はこと「躾」の本当の意味について書いていきます。
5S活動における「躾(しつけ)」の意味とは
5S活動それぞれの言葉の意味
まず5S活動それぞれの意味はこのようになっております。
- 整理
要るモノと、要らないモノを分類し、要らないものを捨てること - 整頓
要るモノを、誰にでも、すぐに取り出せるようにすること - 清掃
ゴミや汚れがない綺麗な状態を維持すること - 清潔
3S(整理・整頓・整頓)が維持されている状態 - 躾
3Sが定着し、決められたことを守れる風土になっている状態
まず、そもそもただ単に職場を綺麗にするためだけの活動ではない、というのはお分かりいただけると思います。
5S活動の「躾」が意味するものとは
日本語として「躾」と言う言葉からは、子供やペットをしつけるように、風紀が乱れないように厳しくルールを守らせていく、といったイメージを抱かれるのではないでしょうか?
この言葉のイメージが独り歩きして、部下に独自のルールを押し付けたり、サービス残業を強いたりなど、理不尽なことに便利に利用されることも少なくありません。
しかし意味は全く違い、社員全員で「整理・整頓・清掃」の3S活動を徹底して行い、それが全員当たり前にできるほど習慣化した状態が「躾」です。
それは具体的な行動ではなく、結果・状態です。
この「躾」の状態は、3S活動を正しい方法で行い、継続していくことで自然と近づいていくものです。
それは強制したり、押し付けたりするものではなく、上司部下関係なく、全員が自発的に行い、風土化している状態です。
しかし多くの人が持つ「躾」という言葉のイメージから誤解が生じてしまっています。
これは、標語として覚えやすくするため、頭文字を無理くり「S」で揃えようとした弊害ではないかと私は思っています。
ちなみに5Sは世界に広がっていて英語でも、それぞれ「S」に当てはめた英単語で生成されています。
整理 ⇒ Sort(分類する)
整頓 ⇒ Set in order(正しい位置に置く)
清掃 ⇒ Shine(輝く)
清潔 ⇒ Standardize(標準化)
躾 ⇒ Sustain(維持する)
こちらの方が具体的でしっくりきます。
特に「清潔・躾」は英語の方が、より正しいニュアンスで伝わる言葉が選ばれていますね。
まとめ
躾とは、3Sが定着し、決められたことを守れる風土になっている状態のことです。
そして、この活動は全員で取り組まなければ、本当の「躾」の効果は得られません。
もしあなたの会社で理不尽に「躾」という言葉を利用された時は、そんな「上司をしつける」意味でも、全社で5S活動を取り組む提案をしてみてはいかがでしょうか?