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全社一丸となり経営戦略を実践する企業風土を築く5S活動

全社一丸となり経営戦略を実践する企業風土を築く5S活動

今回は、「全社一丸となって経営戦略を実践できる企業風土を作るために5S活動が役立つ」というテーマでお話しします。

あなたは社員について、こんなことで悩んでないでしょうか?

・いつも指示待ち
・いつもやらされ感がある
・自分で考えて動いてくれない
・意見箱を設置したけど一通も意見がない
・協力体制がない
・辞職率が高い

こういった社員の悩みを持たれている会社はたくさんあります。

すばらしい経営戦略があるのに社員が自分で動いてくれない、協力体制がないという組織ではその戦略もうまくいきません。

この、動かない社員、チームワークの悪い組織作っているのが、企業風土です。

経営戦略と企業風土の重要性

良い風土には必ず良い人材が集り、良い人材が育っていきます。
反対に悪い風土には、悪い人材が集まり、悪い人材が育っていきます。

経営戦略をしっかりと形にしていくには、まずこの企業風土を改善していくことがとても重要です。

経営戦略と企業風土は、「自転車の前輪と後輪」に例えることができます。
前輪が経営戦略で、企業が前進するための方向性や目標を示し、後輪となる企業風土は、一緒に回転しながら、会社やその戦略を支え、一緒に前進していきます。
そこで一方の車輪に不具合があると、自転車はバランスが崩れて、前に進めなくなってしまいます。

それと同じように、会社も戦略と企業風土どちらかに不具合があると、前進できなくなってしまいます。

このように企業が成長していくためには、経営戦略と企業風土は、同じぐらい重要なものです。

なぜ5S活動が企業風土の改革に役立つのか?

作業着を着た5S活動の会議をする社員

この企業風土づくりに有効なのが、ボトムアップで行う5S活動です。

5S活動とは

5S活動とは、職場を改善することで、安全、効率的、快適な職場環境を作り出す取り組みのこと。

5Sは整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seiso)、清潔(Seiketsu)、躾(Shitsuke)の5つのステップで成り立っており、改善を進めていくことで、品質向上、納期短縮、コスト削減などの効果が期待できます。

さらに社員一人ひとりの気づく力、考える力、主体性などを育成し、経営戦略の実現に向けて積極的に行動する企業風土を築くことが可能になります。

弊社の5S研修を依頼される会社様も、この風土改革のために依頼される方が大半です。

では、なぜ5S活動が企業風土の改革に役立つかについて、詳しくお話します。

①ボトムアップを根づかせられる

主体的な企業風土へ!ボトムアップ型5S活動のメリットと推進のポイント

5S活動で企業風土を改革できる理由1つ目は、ボトムアップを根づかせられるということです。

社員一人ひとりが主体性を持って、会社のことを自分事として考え、経営戦略に参画するような風土にするには、社員が自分で考えて行動できる「ボトムアップ型の組織形態」に変えていく必要があります。

指示されて動くというトップダウン型の組織は、意思決定から実行までの判断が早いという反面、指示されなければ動かないという受け身の社員を作ってしまうデメリットがあります。

そのため、「社員に自分で考えてほしい」「もっと社員からの意見が欲しい」という場合は、ボトムアップ型の組織にしていかないといけません。

ただ「ボトムアップに変える」と言っても、なかなか簡単に切り替えることはできません。

そこで5S活動が役立ちます。

5S活動はこのボトムアップの形を、整理整頓という簡単なテーマで、試験的に練習も兼ねながら、形作っていくことができます。

たとえば

何を捨てるか?モノの定位置をどこにするか?
いつだれがどこを清掃するか?
きれいな状態を保つためにはどうしたらいいか?

こういった簡単な題材から、みんなで話し合って、一人一人から意見やアイデアを聞き出し、自分たちで計画を立てて、実行していく。
これを継続して繰り返していくと、少しずつボトムアップの形が出来上がってきます。

そうなると必ず仕事の方でも、意見やアイデアが出てくるようになり、会社のことを自分の問題として考え、行動できるようになってきます。

5Sだと権限移譲もしやすいので、責任を持ってプロジェクトを任せるための、訓練にもなります。

 

トップダウンでも5S活動は可能です。
しかし、それだと会社が綺麗になっていったとしても、企業風土までは変えられません。
そして、いつまで経っても指示待ち、やらされ感がずっと続いてしまいます。

社員が一丸となって経営戦略を実行していくには、まずは5S活動をボトムアップで取り組み、会社の基板からボトムアップ型の組織形態を形づくっていくことが重要になってきます。

②社員の視野が広がりチームワークが良くなる

5S活動でチームワークの良い組織

5S活動で企業風土を改革できる理由2つめは、社員の視野が広がってチームワークが良くなるということです。

経営戦略を実践していくには、チームワークが必要不可欠です。

プロジェクトやタスクを分担して、それぞれ協力しながら、社員が持っている色んな視点や、それぞれの専門分野の力を最大限に発揮することが、経営戦略を成功させるために重要な要素となります。

そのためにはまず、社員が自分の部署・自分の業務だけではなく、会社全体を大局的に見られることが求められます。

そして、他の部署とも自然にコミュニケーションが取れる風土が理想的です。

 

ところが、多くの会社では、社員は一つの部署で仕事をしており、他の部署のことや、前後の工程がどうなっているか、あまり分かっていないという社員が結構います。

そうやって、社員の視野が狭くなってしまうと、自分の損得だけで動いてしまい、前後の工程を他人事のように感じ、横との連携が取れない、協力体制がないといったチームワークの悪い企業風土になってしまいます。

そうなると会社の未来のことや戦略のことまでは考えが至りません。

こういう問題を解決するためにも、5S活動が役立ちます。

5S活動は、改善のための問題点を探すために社内パトロールを行います。
私の研修では、自分の部署だけじゃなくて、他の部署も点検してもらっています。

他の部署の客観的な意見からは、自分たちでは気づかなかった新しい気づきをお互いに提供し合うことができます。

それを月に一度、継続してやっていくと、自分以外の部署のことを少しずつ理解していき、他部署と協力して改善しないといけないことが見えてきます。

すると、これまで関係ないと思ってた部署や工程が、徐々に他人事ではなくなり、他部署とのコミュニケーションや協力体制が生まれてきます。
そして、今まで関係ないと思っていた会社の問題を、自分たちの問題として捉えられるようになり、経営戦略なども一緒に考えられる風土に変わっていきます。

③少ない抵抗で組織を変えていける

笑顔で5S活動をする作業服の社員

5S活動で企業風土を改革できる理由の、3つ目は、少ない抵抗で組織を変えていけるということです。

風土を変えるということは、社員一人一人の行動や考え方を変えていくことになります。それは簡単なことではありません。

何かを変革しようとすると、必ず抵抗が起こります。特に長く勤めておられる方の方が、変化を嫌がる傾向があります。

 

ですので、変化を起こすには、なるべく抵抗を少なくなるよう、ハードルが低い、取り組みやすい形から入り、少しずつ慣れていってもらうのが理想です。

強引に変えようとすると、必ずひずみや揺り戻しが起こります。

 

その点、5S活動は、「整理整頓」という誰もが馴染みのある簡単な題材からスタートするため、導入のハードルがともて低くなります。

「まずはモノを捨てましょう」というようなとからスタートするので、「それぐらいならできるか」という感じで、受け入れてもらい題材となっています。

 

また、5Sは自分たちの働く環境を、自分たちが働きやすくなるように改善していくという活動です。改善することで、自分たちが快適になっていくので、自分たちに直接メリットのある活動になります。

改善したことで効率が上がった、コストが削減できた、業績が上がったなどの成果が見えてくると、それによって達成も感じられるようになってきます。

 

すると自然に、会社の経営のことや戦略についての参画意識が芽生え、全社一丸となって経営戦略を実行していく土壌ができあがっていきます。

ハードルの低い簡単なことから始められ、少しずつ慣れながら風土を変えていけるという点でも5S活動はとても適した社内活動になります。

まとめ

ということで、5S活動で企業風土を改革できる3つの理由をお伝えしてきました。

①ボトムアップを根づかせられる
②社員の視野が広がりチームワークが良くなる
③少ない抵抗で組織を変えていける

 

これまで弊社が5S研修をさせてもらった会社でも、活動するまでは、

  • 社員が自分のことしか考えられない
  • コミュニケーションも全然取れない
  • 挨拶もできない
  • 離職率が高い

そんな風土だった会社が、5S活動を通して考える、話し合う、計画する、実行する、反省して改善するということをコツコツ繰り返すことで、
今では

  • 社員が会社を自分事のように考えられる
  • 積極的に意見やアイデアを言い合える
  • 自然に挨拶ができる
  • 会社の未来について話し合える

そんな組織に変わったという会社がたくさんあります。

また、5Sを始めたころは、

「この会社にはムリ」
「やるだけムダ」

というマイナスな意見しか出なかったような風土だった会社が、数年5S活動を継続することで、

「こういう会社にしていきたい」
「会社のこういうところを変えたい」
「こういう事業に挑戦してみたい」

そういった前向きな、積極的な意見が出るようになったという例もいくつもあります。

 

こういう変化を起こすには時間はかかります。でも、どんな方法を取ったとしても風土を変えるには、それ相応の時間はかかります。

5S活動は、業務改善をしながら少しずつ主体的でチームワークの取れた組織に変わっていくので、風土改革には最適な活動になります。

 

 

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  • この記事を書いた人

(株)Smile System Support

全国で5S活動研修・セミナー・コンサルティング・講演活動を行っています。5S活動を通して社員一人ひとりが自ら考え行動する組織を作るお手伝いをしています。

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