企業や組織が目標を達成するには、KPI(Key Performance Indicator)、KGI(Key Goal Indicator)、KAI(Key Action Indicator)など、複数の指標を効果的に活用することが重要です。この記事では、KPIの基本的な概念から、KGIやKAI、OKR、KAI、CSF、KSFとの違いについてわかりやすく解説し、各指標を使った目標管理方法もご紹介します。
これらを正しく理解することで、組織全体で一貫した目標達成に向けた取り組みが可能になります。
もくじ
KPIとは?|企業のパフォーマンスを測る重要指標
KPI(Key Performance Indicator)は、企業や組織が設定する重要なパフォーマンス指標であり、目標達成に向けた進捗を測るために使われます。KPIは通常、短期的な目標として設定され、例えば「年度内に新規顧客1,000件を獲得する」など、具体的な成果指標が含まれます。
- 例: 新規顧客を1,000件獲得する、売上を10%増加させるなど。
KPIを管理することで、組織は中長期的な目標に向かう過程をリアルタイムでモニタリングでき、迅速な対応が可能となります。
KPIの基本的な概念については、こちらの『KPIとは?企業の成長に不可欠な指標の活用法』をご参照ください。
KPI、KGI、OKR、KAI、CSF、KSFの違い
ネットや書籍などで「KPI」について調べると、KGIやKAI、OKRなどのさまざまな関連用語も目にすることがあります。しかし、これらの用語は混乱しやすいため、それぞれの違いを正確に理解することが重要です。以下で主要な用語を解説します。
KGI:Key Goal Indicator(重要目標達成指標)
意味: KGIは、企業や組織全体の最終目標(ゴール)を示す指標です。通常、3~5年後など中長期的な目標に対して設定されます。
例: 「3年後に売上10億円を達成する」といった内容が該当します。KGIは、企業の成長やビジョンを達成するための最終的な成果を測る指標です。
KPI(Key Performance Indicator)
意味: KPIは、KGIを達成するための中間目標であり、組織の各部門が具体的に追いかける成果指標です。通常、1年後などの短期目標として設定されます。
例: 「今年度は新規顧客を1,000件獲得する」といった具体的な目標を示します。KPIを管理することで、KGIに向かう過程を効果的にモニタリングすることができます。
OKR:Objectives and Key Results(目標と主要な結果)
意味: OKRは、目標(Objective)と主要な結果(Key Results)を設定することで、KPIを達成するための行動計画を具体化する手法です。
例: OKRはKPIをサポートする形で「新規訪問件数を月500件以上」など、半年や月ごとの短期的な目標を設定し、KPIの達成を助けます。
KAI:Key Action Indicator(重要行動指標)
意味: KAIは、OKRを達成するための具体的な行動指標です。言い換えると、KPIやOKRに沿って、どのようなアクションが必要かを示します。
例: 「DMを10,000件発送する」「展示会を年2回開催し、来場者を1万人以上獲得する」といった具体的なアクションが含まれます。
CSF:Critical Success Factor(重要成功要因)
意味: CSFは、KPIやOKR、KAIを設定する上での重要な成功要因を示します。数値化が難しいことが多いです。
例: 「知名度の向上」や「魅力的な製品開発」など、目標達成に向けた成功の鍵となる要素を指します。
KSF:Key Success Factor(重要成功要因)
意味: KSFはCSFとほぼ同じ意味で、目標達成のために必要な成功要因を示します。
例: 「優れた顧客サービス」や「市場での競争力強化」などです。
KPIツリーを活用した体系的な目標管理
KPIツリーを使用すると、各階層の目標と行動がどのように関連しているかを視覚的に整理し、組織全体で共有することができます。
- KGI(ゴールKPI): 企業全体の最終目標を示します。
- KPI(ゴールKPI): KGIを達成するための部門ごとの短期的な目標。
- OKR(プロセスKPI): KPIを達成するために必要な具体的なアクション計画。
- KAI(プロセスKPI): OKRを達成するための具体的な行動。
- CSF/KSF: KPIやOKRを設定する際の成功要因としての方向性。
- ゴールKPI(KGI):企業やプロジェクトが最終的に達成したい成果を示す指標。KGI(Key Goal Indicator)と呼ばれることもある。
- プロセスKPI:ゴールKPI(KGI)を達成するための進捗状況やプロセスを評価する指標です。
例えば、営業本部が「3年後に売上10億円達成」をKGIとして掲げた場合、そのKGIを達成するために「新規顧客獲得件数」や「営業員の増員」といったKPIが設定されます。
さらに、そのKPIを達成するために「新規訪問件数」や「展示会開催」などのOKRが設定され、そのOKRに沿った具体的な行動(KAI)を実行します。
KPIツリーの事例紹介|各階層の目標と行動計画
実際の企業でどのようにKPIツリーが機能しているのかを、以下の表を通して具体的に見ていきましょう。営業部門が設定した「売上10億円達成」に向けたKGIから、月次訪問件数や展示会開催などの具体的なアクションまでを体系的に示しています。
KPIツリー事例の解説
- KGI(Key Goal Indicator) - ゴールKPI
営業本部のKGIとして、「3年後に売上10億円達成」という最終目標が設定されています。これは、組織全体の成長を図るための長期的な成果指標です。
- KPI(Key Performance Indicator) - 中間目標
KGIを達成するための短期目標として、「年間新規顧客獲得500件」が掲げられています。このKPIは日々の営業活動がKGIに向かっているかどうかを測定する中間指標で、進捗管理が可能です。
- OKR(Objectives and Key Results) - 行動計画
KPI達成のための行動計画として、「月次訪問件数100件」を目標にするOKRが設定されています。このOKRにより、KPIをサポートする形で月ごとの短期目標が具体化されています。
- KAI(Key Action Indicator) - 具体的な行動指標
OKRを達成するための具体的な行動指標として、「DM発送1,000件」や「展示会開催による名刺5,000件獲得」が設定されています。KAIは現場レベルで実行されるアクション指標で、具体的に取り組むべき行動を明示しています。
まとめ
KPIは、企業が目標達成に向けて進捗を評価するための重要な指標ですが、KGIやKAI、OKRといった他の指標と組み合わせることで、より効果的に活用できます。KPIツリーを活用することで、組織全体の目標に向けた行動と成果を明確化し、全員が一丸となって取り組むことが可能です。ぜひ、自社の目標管理にも取り入れてみてください。
KPI全体の概要については、まずはこちらの基本解説ページをご参照ください。
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