会議はただ座って話すだけではありません。
活発なアイデアの交換、モチベーションの向上、そして組織全体の目標達成へのヒントを得るための場所です。
しかし、伝統的なトップダウン方式では、しばしば一方通行の情報伝達に留まってしまいがちです。
そこで注目されるのが「ボトムアップ型」の会議。
この手法は、個々人の意見やアイデアを尊重し、全員参加型のコミュニケーションを促進します。
私たちの5S活動研修でもこのアプローチを採用し、目覚ましい成果を上げています。
この記事では、その成功の秘訣と具体的な進め方をお伝えします。
コーチングのスキルを使って、どのように会議を活性化し、創造性豊かな意見を引き出し、組織の目標達成を加速させるのか。
次世代のリーダーたちへの実践的なヒントをお届けします!
ボトムアップ会議に欠かせない会話スキル
ボトムアップ型の会議を進めるために弊社が勧めているのが「コーチング」の話し方です。
コーチングは、対話しながら相手の本当の気持ちを引き出したり、能力とかモチベーションを引き出して、目標達成に向けてサポートする手法です。
このコーチングを使って会議を進めることで
- 参加者全員が会議に積極的に参加するようになる
- 新しいアイデアが出やすくなる
- 具体的なプランが出るようになる
- コミュニケーションが活発になる
- 問題解決の能力が向上する
このような効果があります。
その結果、意見が活発に飛び交う、ボトムアップ型の会議ができるようになります。
特に会議を仕切るリーダーや上司の方は、このコーチングの対話方法を使って参加者の話を聴くようにしてください。
コーチングの3つの対話スキル
コーチングのやり方の基本は、「聴く」「認める」「質問する」の三つです。
①聴く
まず「聴く」は、相手の言葉に関心を持って、しっかり耳を傾けることです。
相手が話してるときは、途中で遮ったりせず、最後まで集中して話を聞いてください。
途中でうなづいたり、相槌したり、しっかりリアクションすると、相手は「ちゃんと話を聞いてもらえてる」「自分の話が受け入れてもらえてる」と感じ、安心して話しやすくなります。
とにかく、話をしたら聞いてもらえるという体制を作ることがボトムアップ型の会議では大切です。
②認める
次の「認める」は、相手の考えとか意見を事実として受け入れることです。
自分の考えを一切入れずに、常にニュートラルなポジションで聞くようにします。
自分と違った意見が出ると、ついつい否定的にとらえてしまいがちです。
しかし、そこで客観的な視点に立ち「そんな意見もあるのか」と、事実として受け止めるようにしてください。
すると相手は、「この人は自分のことを理解してくれている」と感じ、積極的に意見が言いやすく、新しいアイデアも出やすくなります。
これまでトップダウンの風土でやってきた会社は、社長や上司の方のプライドが高い傾向にあります。
そういう方は、どうしても自分の意見の方が正しいと思ってしまうため、部下からの意見を素直に聞き入れるのが難しくなります。
そういう方ほど、とにかく「ニュートラル」を意識し、相手の意見を「事実」として、客観的に受け入れるようにしてください。
③質問する
最後の「質問する」は、質問を繰り返し、相手が自分で答えを出すように促すことです。
ポイントは、「いつ?」「どこで?」「誰が」「?何を?」「なぜ?」「どうやって?」という5W1Hを使って質問することです。
この方法で質問していくと、相手は自分で掘り下げて考える癖がつくため、普段から自分で考えるようになってきます。
例えば、相手から「時間がないので無理です」という否定的な意見が出たときも、「時間のない中でどうやったらいいと思う?」と質問することで、「役割分担したらできるんじゃないか」「朝礼後の5分でできるんじゃないか」といった、建設的な意見が帰ってきやすくなります。
すぐに良い意見は出ないかも知れません。でもこのやり方で繰り返していけば必ず変わっていくので、相手を育てると思って気長に取り組みましょう。
ボトムアップ型で、活発に意見を出し合える会議にするためには、この3つの対話スキルを使い、話を聞き出すようにしてください。
注意ポイント
会話をキャッチボールすること
このスタイルで会議を進めていくとき、常に意識してほしいことがあります。
それは一回聞くだけじゃなくて、何度も質問して会話のキャッチボールをすることです。
たまに、聴くのが上手くはあるものの、キャッチボールができてない上司の方がいます。
一回聴いて「ふむふむ…じゃあこうしようか」と、結局上司が答えを出してしまっています。
本人は1回のキャッチボールでも、ボトムアップ出来てると思いこんでいますが、自分が答えを出した時点でもうニュートラルではなくなっています。
ボトムアップでの会議にしていくには、上司は自分で答えを出すのではなく、とにかく相手から引き出すということを意識してください。
例えば相手の答えに対して、
- 具体的にどんな状況ですか?
- どうやったら改善できると思いますか?
- それは実現可能ですか?
とのように質問を繰り返し、どんどん意見や気持ちを聞き出すようにしてください。
初めから結論ありきで話を進めたり、「自分が解決しなければ」と思っている上司がコーチングを使っても、上手くいきません。
そういう方は、必ず最終的に自分の意図する方向へ持って行こうとするため、ボトムアップではなくなります。
もし部下の出した意見が自分の意見と違っていたら、「じゃあ、どうやっていったらいいと思う?」と、何回もキャッチボールを重ね、解決の方法まで聴き出すようにしてください。
このニュートラルという考え方を基に、丁寧にキャッチボールしていくとボトムアップの会議が上手くいくようになります。
まとめ
ということで、ボトムアップ型で会議を進める方法についてお伝えしてきました。
この方法を取り入れていただければ、これまでのトップダウン型の会議と違い、参加者みんなが積極的に意見を出し合い、新しいアイデアの生まれやすい風土を作り出すことができます。
さらに、上司と部下の関係も良くなっていき、組織全体のコミュニケーションも活性化されていきます。
ぜひあなたの職場でもボトムアップ型の会議を取り入れてみてください。