全社員が5S活動を自主的に行うために定期的な社内点検を!
今回は「全社員が5S活動を自主的に行うために定期的な社内点検を!」というお話です。
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5S活動に取り組んでいる(と言っている)会社は多くありますが、全員ではなく一部の人のみ(リーダー、役職者、5S委員会)が活動しているケースがよくあります。
そういった一部の活動は本質的ではなく、表面的な5S活動になってしまいます。
そして一部の活動になると、参加している社員に強い負荷がかかってしんどい活動となり、継続していくのが大変になってきます。
活動のスタイルとしてありがちなのが、まず5Sリーダーなどの点検係が工場内をパトロールして、指摘事項をその部署に促す。
指摘された部署が改善に取り組むという活動のやり方です。
この方法でも確かに改善は進みます。
でもこのスタイルでは必ず「指摘されないとやらない」活動になってしまいます。
5S活動は本来「社員一人ひとりが自主的に気づいて活動する」のが最も理想的です。
5Sの「躾(しつけ)」とは、社員全員がルールを守り、無意識に5Sを行っている状態を言います。
これは社員一人ひとりが会社の乱れや汚れ、非効率なところに気づいて改善を行ったり、危険を素早く察知して対策を講じたり。
これが当たり前にできるのが躾の状態です。
「言われたことをやる」といった受動的な活動では、この「躾」まではたどり着きません。
大事なのは「社員一人ひとりが『気づく力』を持つこと」です。
それを得るには「全員で定期的に社内を点検する」というのが最も効果的です。
月に一度程度が良いでしょう。
月に一度、点検を繰り返すことによって、それまで気づかなかったことにだんだんと気づけるようになっていきます。
仮に5Sリーダーだけがこの点検を行う形にしてしまうと、他の社員から自分で改善箇所に気づくチャンスを奪ってしまうことになります。
必ず全員で点検を行うようにしてください。
そして可能な限り「全部署」を回って点検ください。
普段見慣れた自部署の問題点は見つけにくいものですが、他の部署は客観的視点でみられるので、他部署もすべて行き来して点検を行い、お互いで指摘し合って改善につなげましょう。
この5Sの点検を定期的に行うことよって社員の「気づく力」が育ってくると、社員はすぐに問題に気づく、すぐに異常に気づく、すぐに原因に気づく、相手の気持ちに気づく、という風に、色んな事への気づきの感度が高まってきます。
実際にあった例で言うと、それまではゴミが落ちてても気にも留めない、見て見ぬふりだった社員さんが、5S点検を続けるうちに、いつしか自然と自分からゴミを拾って捨てるようになりました。
今まで「気にならい」状態でスルーしていかことが、だんだん「気になる」状態に変化してくるんです。
そううなると、社内の色んな問題点・改善点が気になり出し、5S活動がどんどん自発的になり活性化してきます。
この点検・パトロールは、全員が自分の部署だけでなく、他の部署もするようにしましょう。
慣れた環境では、気づかないことも出てきますが、他の部署の人だと、客観的に色んな事に気づきやすいからです。
そこでお互いに指摘し合って、それらを次の改善につなげていってください。
この5S活動を通して感性を磨いていくと、普段の業務でも色んな事に気づけるようになってきます。
この感性を育てるのが、5S活動の大きな役割の一つでもあります。
ということで今回は、全社員が5S活動を自主的に行えるようにするには全員で点検をしていきましょうというお話をさせていただきました。