会社で働いていると、すぐにマイナス発言をする社員が現れることがあります。
職場に後ろ向きな言葉・ネガティブな言葉を発する人がいると、こっちまでやる気がなくなってきてしまいます。
影響が広がると職場全体の士気まで下がってしまい色んな悪影響を及ぼします。
マイナス発言は百害あって一利なし。
今回はそんなマイナス発言社員にどう対応していけばいいのか?対処方法についての記事です。
ネガティブな発言が職場に及ぼす悪影響
日本では言霊(ことだま)と言われるように、言葉には人を幸せにも不幸にもする力が宿っています。
色んな実験から明らかになっています。
IKEAが行った植物に言葉をかける実験
それに関してIKEAが面白い実験を行いました。
二つの観葉植物の一方にネガティブな言葉、もう一方にポジティブな言葉を1カ月間かけ続けるという実験。
結果、明らかに違いが見られました。
ネガティブな言葉をかけた方は元気がなく、ポジティブな言葉をかけた方はイキイキと育っていました。
言葉が行動に与える「プライミング効果」の実験
次は、ニューヨーク大学のジョン・バルフ博士が行った、「言葉が行動に与える影響」を調べる実験。
大学生をチーム分けして、5つの単語で文章を作るのですが、その中の1チームに高齢者を連想させる単語(「しわ」「杖」「白髪」「忘れっぽい」)を混ぜておきます。
すると、高齢者の単語が入ったチームの学生の歩くスピードが、他のチームより明らかに遅くなりました。
これは高齢者を連想する言葉の影響を受け、無意識に高齢者のように行動してしまったという事例です。
これは「プライミング効果」と呼ばれ、「あらかじめ与えられた情報が、後の行動に無意識に影響を与える」効果を言います。
人間は自覚的に行動しているようで、知らぬ間に言葉の影響を受けて行動してしまっているようです。
これらの実験からもわかるように、マイナス発言ばかりする社員がいる職場は、働くのに良い環境であるとは考えにくいです。
知らないうちにモチベーションを下げられ、生産性も下がってしまいます。
マイナス社員をプラス社員へ変える「成功体験」
アメリカでの心理学の研究によると、人間は1日に6万回の思考を行っているとのこと。
そしてその6万回のうち、約80パーセントにあたる約4万5000回はネガティブな思考になる傾向があるそうです。
これは危険から身を守るための反応で、人はもともとネガティブな思考を持ちやすいということです。
では、どうしてネガティブ発言をする人・ポジティブ発言をする人の差が出てしまうのか?
一つの大きな要因は「成功体験」です。
ポジティブ思考が多い人は「上手くいった経験」を多く持っています。
「上手くいった」という過去実績が、「上手くいく」という未来予想に繋がり、思考がポジティブになるというわけです。
反対に上手くいった経験が少ないほど未来に不安が多くなるために、思考がネガティブになりがちです。
そのため「ポジティブ思考になろう」と頑張っても、それを裏付ける自信が希薄なため、簡単には変われません。
大事なのは成功体験を積むことです。
5S活動で成功体験を積む方法
弊社は色んな会社で5S活動の研修をさせてもらっています。
5Sとは?最初に知るべき5S活動の意味・目的・効果の出る進め方と事例
会社全体で5S活動に取り組んでもらうわけですが、どの会社でも最初は必ずマイナス発言をする人がいます。
「5Sそんな時間ない!」「忙しいから無理!」「そんな活動意味ない」といった具合です。
ところが活動をスタートさせて前向きな人に引っ張られ、嫌々ながら参加していくと、だんだんとマイナス発言をしなくなってきます。
1年経つ頃には、あれだけ「無理!」と言っていた社員さんの口からマイナス発言が出てこないどころか、「今度はどこを改善しよう?」「もっといろんな人に指摘してほしい」と、活動に対して前向きな言葉に変わっています。
5S活動を継続して成果を出していくには、自分たちの職場をしっかり観察して、計画を立てて実行し、振り返って改善していくというPDCAを繰り返していく必要があります。
その積み重ねの中で、知らず知らずのうちに成功の実体験を積んでいけるんです。
また5S活動でよりよい職場環境を作っていくには、社内でのしっかりとしたコミュニケーションが必要。
5Sでの定期的なフィードバックと改善の会議は、社内コミュニケーションを活性化してくれます。
こういった活動が、少しずつ社員さんを前向きにして発言をプラスに変えていくことになります。
マイナス発言をする社員に困っている、社員や部下に自信を持たせたいという職場は、ぜひ5S活動で成功体験を積む機会を作ってみてください。