3S活動とは、「整理」「整頓」「清掃」の活動のこと。
読み方は「さんえす」、英語では「3S methodology」と呼ばれています。
3Sは自動車のトヨタで体系化された「トヨタ式生産方式」の取り組みで有名な「5S活動」のうちの最初の3項目です。
5Sは多く企業や病院などで取り入れておられ、特に大手の製造業などでは、厳しく指導されている会社が数多くあります。
3S活動は、静岡聖光学院ラグビー部や、安芸南高校サッカー部などが、部活動の一部として取り組んでいるということでも話題になりました。
また、海外からも注目が集まっています。
では、なぜ5S活動ではなく3S活動なのか?それをお伝えするために、まずは5Sの説明から進めていきます。
3Sとは5Sの中の大事な3ステップ
5S活動とは「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の略で、主として製造業や、病院など看護医療の現場で取り組まれている職場環境を整え、会社を働きやすくしていく活動を言います。
5Sには一つひとつ明確な意味があります。
- 整理(seiri) 要るモノと、要らないモノを分類し、要らないものを捨てること
- 整頓(seiton) 要るモノを、誰にでも、すぐに取り出せるようにすること
- 清掃(seisou) ゴミや汚れがない綺麗な状態を維持すること
- 清潔(seiketsu) 3S(整理・整頓・整頓)が維持されている状態
- しつけ(shitsuke) 3Sが定着し、決められたことを守れる風土になっている状態
トヨタでは「5Sは仕事の基本」として、入社時に徹底して叩き込まれるほど大切な活動です。
その中でも重要な取り組みが最初の3ステップ「3S」です。
5S活動は最初の「整理」からスタートさせ、「整頓」「清掃」とステップアップしていきます。
ここまでの取り組みが3S活動ということになります。
そして、この3S活動を標準化して、徹底され維持継続できている状態が「清潔」。
さらに、3Sが習慣化して、社内全員が3Sを当たり前にできている状態が「しつけ」ということになります。
つまり3S活動を徹底的に行うことが、5Sに繋がります。
そこでまずしっかり3Sを徹底してやりましょうということで「3S活動」が広まりました。
3S活動の目的
多くの方が、なんとなく「会社のお片付け」「お掃除活動」のように認識されていますが、きれいにすることが目的ではありません。
3S活動の目的は、5S活動の目的と同じで「安全」で「効率的」で「快適」な職場を作ることです。
こちらは弊社スマイルシステムサポートが5Sの目的を楽しく伝えるために制作したミュージックビデオです。
ぜひ参考にご覧頂ければと思います。
3S活動の目的①安全な職場
3S活動は事故の起こりやすい製造業から生まれています。
そのために、まず安全で事故や怪我をしないようにするために職場の環境整備することを目的にしています。
また、近年5Sは医療ミスを防ぎ、安全で衛生的な医療体制を敷く目的で、病院でも活動に取り組まれています。
3S活動の目的②効率的な職場
3Sの取り組みは、トヨタ生産方式の基礎になっています。
その一番の目指す先は、作業のムリ・ムダ・ムラを無くし、より小さな労力で楽に素早く作業ができるようにすることです。
いくら見た目を整えてキレイになっても、それで非効率になってしまったら意味がありません。
それは手段が目的になっている状態。
いかにムダなく効率的か?を念頭に置いて改善していくことが3Sの目的です。
3S活動の目的②快適な職場
心身ともに過ごしやすく、働きやすい環境にすることが3つめの目的。
会社は人で出来ており、社員一人ひとりの働きやすさは会社のパフォーマンスに直結しています。
ストレスは生産性を低下させる原因になりますので、それらを取り除き、快適にしていくことも大事な目的の一つになります。
報連相など日常的なコミュニケーションを活性化するのも3Sの役割です。
3S活動の意味と効果
冒頭でも紹介しましたが、3S活動「整理」「整頓」「清掃」にはいかのような意味があります。
- 整理(seiri) 要るモノと、要らないモノを分類し、要らないものを捨てること
- 整頓(seiton) 要るモノを、誰にでも、すぐに取り出せるようにすること
- 清掃(seisou) ゴミや汚れがない綺麗な状態を維持すること
この3Sに取り組むことによって、多くの得られる効果やメリットをえることができます。
3S活動の効果①ムダなスペースの削減
会社からモノが減っていくと、その分スペースのムダが削減できます。
そして、そのスペースには必ず「家賃」が発生しています。
同じスペースでも不要なモノを置くのか、生産的な空間として生かすのかで、その価値は変わってきます。
社内のひと区画に家賃を意識することはあまりないかもしれませんが、例えばモノを置くためだけに借りていた倉庫を減らすことができれば、家賃にかかるコストを浮かせることができます。
あなたの会社では「要らないモノ」のスペースに家賃を払われていないでしょうか?
処分していくとどれくらいのスペースが生まれ、どれくらいのコストが削減できるでしょうか?
一度社内を見まわしてください。
3S活動の効果②探すムダを無くせる
必要なモノが、誰でもすぐに取り出せるようになれば、様々なムダが削減できます。
例えば「探す」という時間。
会社では多くの「探しモノ」が存在します。
従業員の方に「仕事中にモノ(データ含)を探すことがあるか?」のアンケートを取ってみてください。
意外にモノを探していることがわかります。
例えば、会社の月の稼働日数が20日間だった場合、社員が1日5分探しモノをしただけで、月に1時間40分探しモノに時間を使ったことになります。
年間にすると1人20時間になります。
これにあなたの会社の従業員数をかけてみると...
少しの探しモノも積み上がると、非生産的な時間に大きな人件費に費やしてしまうことがわかります。
整頓は、モノを快適に使えるようにすることで「探すムダ」「迷うムダ」「教えるムダ」「取りに行くムダ」など、価値を生んでいない動作をなくしていく活動と言えます。
3S活動の効果②仕事の効率を上げる
3S活動の目的として挙げているように、3Sを徹底すると仕事の効率が上がっていきます。
「使いやすさ」を追及し、モノの置き方や、作業動線などを工夫することで動作のムダがなくなっていきます。
動作のムダがなくなれば、作業者の身体的負担も減ります。
そうして働く環境が効率的になると、集中力が上がり、能率がアップし、どんどん生産性があがります。
それによってムダな時間が減り、納期が短縮され、遅延、納期遅れなどがなくなります。
また、可動率が上がったり、在庫回転の率が上がったり、活性化していきます。
業務を効率化していくカイゼンの活動はどこまで行ってもゴールはありません。
「どうすればもっと楽になるか?」「どうすればもっと早くなるか?」ということを日々意識しながら、仕事に取り組むことで、社員にモーションマインド(よりムダのない効率的な作業方法を考える思考)が生まれてきます。
3S活動の効果③チームワークを強化できる
3S活動は原則社内全員で行う活動で、チームごとに取り組んでいくことが理想です。
通常業務とは関係のない社内改善の活動を、チームで考え話し合い、実行・改善を繰り返していくことで、チームワークが強化されていきます。
通常業務でもコミュニケーションや連携が取れやすくなってきます。
3S活動の効果④事故・ケガを防げる
危険な場所やケガのリスクを改善して、日常的に点検を行い、安全のためのルールを守っていくことで、労災事故のない安全な職場をつくることができます。
整った環境と、習慣的な従業員の清掃や社内点検の点検は、一人ひとりの注意力上げることになり、事故防止の効果を高めます。
これはミスが許されない看護・医療の現場では特に重要で、多くの病院で見直されています。
3S活動の効果⑤品質が上がる
整理整頓の活動は、言い換えれば一つひとつのモノと向き合う活動。
3Sを日々徹底して、行っていくことで、モノを大切にする心が生まれてきます。
そして、活動によって作業の環境が快適になってくると、集中力が上がり、能率アップします。
そうしたことから、自ずと品質は向上し、不良品率は低下してきます。
3S活動の効果⑥設備の異常に気付ける
また、3Sの清掃は「点検」の意味合いも含まれています。
日常的に清掃を実施するが会社の点検になります。
日々きっちり清掃を行うことによって、会社を綺麗な状態に維持できると同時に、些細な変化に気づきやすくなります。
すると設備の異常などにいち早く気づけるようになります。
3S活動の効果⑦ムダなコストの削減
整理によってモノを減らすことで、家賃などスペースにかかるコストを減らすことができます。
また、モノを徹底して管理することによって、作りすぎのムダ、過剰在庫、過剰な発注といったムダも未然に防ぐことができます。
ミス・不良品も減らしていくことができます。
さらに、効率的になり、作業スピードが上がることで、ムダな残業を無くすこともできます。
このように3S活動によって色んな面でコストを削減することができます。
3S活動の効果⑧会社の風土を改善できる
「割れ窓理論」という考え方があります。
これは、割れた窓を放置すると犯罪者が「ここは防犯に配慮していない」と考えて犯罪が増えるという理論です。
ニューヨークでは、地下鉄の「落書き」を徹底的に清掃することで、地下鉄内での他の犯罪まで減少させることに成功したという実例があります。
また、ディズニーランドでは、園内の小さな損傷も徹底的に修繕を行うことで、従業員に限らず、お客さんのマナーも向上させることができたそうです。
これらのことから、環境が人の無意識に与える影響が大きいということがわかります。
3S活動によって会社の環境を整え、衛生的できれいな環境を作っていくことは、社員のマナーを向上させ、会社の風紀を良くする意味でも大きくメリットがあります。
3S活動の効果⑧会社の信用を高められる
3S活動を取り入れて成果を出している会社は、他社からの目が変わってくることに気づきます。
いつも清潔で、整理整頓されている会社は、それだけで他社からの信用度は上がります。
仮に同じクオリティの同じ商品を作る2社があった場合、いつも綺麗で整っている会社と、いつも不衛生でモノが乱れている会社と、どちらの会社と取引されますか?
3Sで有名な山田製作所さんが「良い現場は、最高のセールスマン」と言われているように、3S活動ができている会社というのは、それだけでお客様に良い印象を与え、会社自体がか営業してくれているのです。
3S活動の進め方と事例
「うちは5S活動に取り組んでいます」とおっしゃる会社さんも、実際見てみると「清掃しかしていない」というパターンがよくあります。
しかしこれでは、安全で効率的で快適な会社にはなりません。
ここからは3S活動をどのようにすすめていくのか、具体的な進め方と事例をご紹介していきます。
3S活動の進め方と事例①3S活動の目標とスローガン(標語)を決める
自社が3Sに取り組む目的とは?
3S活動に取り組むにあたって、まず最初にやっていただきたいことが3Sをやる目的を決めることです。
3Sをやる目的や、たくさんの効果を挙げてきましたが、あなたの会社にとって大事な目的は何でしょうか?
まずは自分たちがどんな目的に向かって3S活動を行っていくか?を話し合う必要があります。
会社によってはコストを見直す必要があったり、残業を減らす必要があったり。
業種によって衛生面が大事だったり、安全面を見直す必要があったり。
とにかくモノが多くて狭いのを何とかしたいという会社もあるでしょう。
自社の問題を見直し、何のために3S活動を行うか考えましょう。
会社に3Sを浸透させて定着させるには、みんなが主体的に活動できることが一番です。
そのためには、まず社員一人ひとりが「自分たちがそのために3Sをやるんだ」という目的が明確でなければなりません。
「3S活動が自分にとってメリットがある」と感じてもらえれるほど、モチベーションがあがり、その後のパフォーマンスにも差が出てきます。
目標を立てスローガンにする
目的が決まったら、それを具体的な目標としてスローガン(標語)にしましょう。
- 「3Sでコスト●●%をカット!」
- 「3Sで残業を月●●時間に減らす」
- 「3Sで不良品を平均●●%まで下げる!」
- 「3S売り上げを●●%アップ!」
- 「3Sで労災事故ゼロ!」
数値化するなど具体的であるほど、実現しやすくなります。
こちらのページに詳しい作り方やたくさん事例がありますのでぜひ参考にしてください。
3S活動の進め方と事例②計画を立てる
目標・スローガンが決まったら、計画を立てていきます。
いつまでに、どこをどのように改善していくのか、計画を立てから、活動を進めていきましょう。
順序としては、まず整理からのスタートして、次に整頓、清掃の順番に計画を立てます。
計画が立てられたら、活動に進んでいきます。
3S活動の進め方と事例③「整理」
整理とは「必要なモノと不要なモノを分けて、不要なモノを徹底的に処分すること」
英語では「Sort」、分類するという意味で訳されています。
整理は処分すること
5S活動を行う際には、一番最初に徹底的に「整理」を行いましょう。
重要なポイントはしっかりと「処分すること」。
要るモノと要らないモノが入り乱れた職場と、必要なモノだけのシンプルな職場では、後者が圧倒的に美しく、安全で快適で効率的になります。
自分達の働く環境に「不要なモノが一切な状態」になるように、徹底して処分しましょう。
ここがきっちりできているかどうが、このあとにある整頓・清掃がしっかりできるかどうかに関わってきます。
これはモノだけではなく、情報も同じです。
書類関係や、パソコン内のデータもしっかり整理する必要があります。
仕事を行う上で不要なモノをいろんな角度から見てみるとたくさんのムダが見つかります。
赤札作戦
3S活動で整理を行う際の定番が赤札作戦です。
会社の中の要るか要らないかわからないモノに、このような赤札を貼っていきます。
こちらが実際に取り組まれた事例です。
実際にやってみると必ず「思っていた以上に要らないモノがたくさんあること」に気づきます。
(5S活動って何から始めたらいいの?迷ったら貼るだけ必殺「赤札」)
捨てるルールを決める
整理のもう一つの大事なポイントは、その状態が維持されること。
「断捨離をするぞ!」と気合いの入れて一気に整理をするだけでは、必ずリバウンドが起こります。
しっかりとルールがなければ、一時的にモノが減ってスペースができたとしても、すぐにまたモノが置かれ始め、気づいたら前よりモノが増えた…ということになります。
要らないモノがない状態を維持するためには、モノを減らすと同時に、モノを捨てる基準・ルールを決める必要があります。
もの一つひとつに「これは捨てる・これはいつまで置いておく」という風に、全員で話し合ってルールを決めていきます。
決めたルールは、掲示板に張り出すなど、忘れない仕組みも必要です。
このように、整理された状態が、維持できる仕組みを作るところまでが、3S活動で行う「整理」となります。
3S活動の進め方と事例④「整頓」
整理で不要なモノがなくなったら、「整頓」に進みます。
3Sの整頓とは「必要なモノを必要な時に、誰でもすぐに取り出せるようにすること」という意味。
英語では、「set in oder」(秩序正しく設置する)という意味で訳されています。
「整頓」と言えば、きっちりと整えるという風に捉えられがちですが、ただ綺麗に並べただけの状態は「整列」です。
常に意識することは効率的かどうかです。
奇麗になっても使いにくくなったら、それは本当の整頓とは言えません。
モノをいかに使いやすくするか、その仕組を作るのが整頓です。
改善に終わりはなく、「どうすればもっと早くなるか?」「どうすればもっと楽になるか?」を考え、繰り返し試行錯誤していく活動になります。
整頓3つのステップ
整頓は以下の3Sつのステップで進めていきましょう。
- 定位置
- 定量
- 表示
1.定位置
まずは「定位置」です。
モノを探す原因は、モノの定位置が決まっていないことです。
あなたの会社では、すべてのモノに定位置が決まっていますか?
モノ一つひとつ置き場所がルールになって、それをみんなが守ることができれば探し物というムダな時間は一切なくなります。
まずはモノ一つひとつに定位置を定めていきましょう。
その際、取りやすい向き・起き方も考えて置くのがポイントです。
実際の作業時の動きも考えて、どこにどのような向きで置くのが好ましいかも検証してください。
2.定量
「定位置」の次は「定量」を決めます。
消耗品などは、買いだめしがちですが、それによって場所代、管理費、先買いによるキャッシュフローの悪化などを生んでしまいます。
必要な時に、分量だけ持っている状態がもっとも理想的です。
そのためには、まず消耗品一つひとつの、1カ月に必要最低数を算出しましょう。
そこから、発注から入荷までのリードタイム、予備の在庫などを計算して、「いくつ保持するのか?」「何個になったら、何個発注するのか?」を明確にしましょう。
そして、その発注が誰でもできる仕組みにしましょう。
こちらは定量と発注の仕組化の事例です。
発注先、品番などが書かれた札がついています。
発注点のところにこれを取り付けて、使いきった人が発注するという仕組みです。
誰でもできるようにしておけば、業務の属人化を減らして、全員でモノを管理していくことができます。
3.表示
定位置と定量が決まったら、仕上げに「表示」を行います。
誰もが探さずに、使いやすくするために表示は必須です。
表示は簡単なので、すぐにやってしまいがちですが、しっかりと定位置・定量を決めてから行うようにしてください。
モノ一つひとつの置き場所がわかるように表示をしていきます。
倉庫などはロケーション番号を付けるようにしましょう。
モノの管理がしやすくなります。
形跡管理
整頓の手法としては「形跡管理」という方法が定番です。
作業台や引き出しに、置くモノの形に型抜きれた置き場所を作る整頓方法です。
こちらは事例ある会社さんの事例です。
置き場所が、置くモノの形になっているので、それ以外置けないため、余計なモノが増えません。
戻すときも一瞬でわかり、業務効率も格段にあがります。
素材はスポンジ素材のものや、プラダンがよく利用されています。
スポンジ素材のものは弊社でも扱っておりますので、ぜひご利用ください。
その他5S整頓の活動事例はこちらを参考になさってください。
3S活動の進め方と事例⑤「清掃」
整理・整頓まで進んだら、「清掃」に進みましょう。
清掃とは「ゴミや汚れがないピカピカな状態を維持すること」という意味です。
英語では、「shine」(輝く)という意味で訳されています。
清掃も整理・整頓同様、ただ綺麗にするだけではなく、しっかりと維持できる仕組み作りが重要です。
清掃は点検の役割もあり、習慣化することで大きな力を発揮します。
清掃の基準を決める
例えば同じ場所を見て「きれい」と感じる人もいれば「汚い」と感じる人もいます。
この感覚は価値観であり、人それぞれ違います。
「きれい」の基準がまちまちだと、清掃したときの成果にバラつきが出て、つねに同じ奇麗な状態を維持することができません。
そこで、まずは「どれくらい綺麗にするか」という具体的な基準を決めて社内で統一しましょう。
- 床が反射するくらいピカピカな状態
- 寝転んでも不快じゃない状態
- ほこりが落ちていない状態
- ホウキではける程度のチリが落ちていない状態
- とりあえず目立ったゴミが落ちていない状態
こんな風に場所ごとに基準(目標)を決めてください。
最終的には、どこもピカピカになるように、少しずつレベルアップしていきましょう。
清掃ルールを決める
基準が決まったら、それを目指して、「いつ誰がどのように清掃するか」をみんなで話し合って、ルールを決めましょう。
決まったルールは清掃マップを作成して貼り出します。
こちらはある会社さんの清掃マップの事例です。
忘れない仕組み・チェックシート
最後に忘れない仕組みを作ります。
清掃の定番はチェックシートの事例です。
こういったチェックリストを作成し、できているか?できていないか?見える化しましょう。
出来ていなければ、仕組みを改善しましょう。
3Sでは、うまくいかない時は常に「人」ではなく「仕組み」を変えるようにしましょう。
3S活動を維持継続させるためには
3S活動を会社に浸透・定着させ、維持継続させていくためには、まず大前提として会社全体で取り組むことが重要です。
一部の活動では、会社の風土にはなりません。
会社全体で取り組み、小グループごとに活動していくのが理想です。
グループごとに目標を決め、PDCAサイクルで進めていきます。
計画を立て(Plan)、それをもとに実行し(Do)、できたかどうかを振り返って検証し(Check)、改善をして(Act)再び計画を立てる。
このPDCAサイクルを1カ月ごとに行います。
振返りや改善、計画は、チーム全員で話し合って決めていきましょう。
チームリーダーは、一人ひとりから意見を聞き出すように話を進行して、それを取りまとめて計画に落とし込んでいきます。
慣れるまでは少し大変ですが、3Sを会社に定着させるためには最も有効な手段です。
活動はなるべく少ない時間でも毎日できるようにしましょう。
短くても頻度が高い方が定着しやすくなります。
3Sを頑張っている会社様では「毎朝10間清掃を行う」というような取り組みをされている会社がよくあります。
まずは、仕事場でよく使う小さな範囲の整理から始めていってください。