KPI

製造業のためのKPIマネージメント徹底ガイド

製造業における企業成長を目指すなら、KPIの設定だけで満足してはいけません。KPIは「見える化」「レビュー」による継続的な管理があって初めてその効果を発揮します。

本記事では、製造業の現場から経営層まで、KPIを効果的に活用するための具体的なマネージメント手法を解説します。

KPIとは?

KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」の略であり、組織やプロジェクトの目標達成状況を測定するための具体的な指標です。KPIは最終目標(KGI:重要目標達成指標)を実現するために必要なプロセスを示し、目標達成に向けた「道しるべ」の役割を果たします。

 

KPIの基本概念や重要性について詳しく知りたい方は、ぜひ「KPIとは?企業の成長に不可欠な指標の活用法」をご覧ください。

要チェック
ゴールKPIとプロセスKPI
KPIとは?企業の成長に不可欠な指標の活用法

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KPIマネージメントとは?

KPIマネージメントとは、企業目標の達成に向けて、設定したKPIを管理・運用するプロセスを指します。その中核を担うのが「見える化」と「レビュー」の2つの要素です。

  • 見える化:現場の誰もが現在の状況を即座に把握できる仕組み作り。
  • レビュー:定期的にKPIを確認し、必要に応じて改善や調整を行う。

これらの要素を組み合わせることで、企業全体のKPI目標を達成に導くことができます。

現場でのKPIマネージメント

KPI工場イメージ※写真はイメージです

現場では、リーダーや作業員がKPIを意識しながら日々の業務を遂行することが求められます。

現場での取り組み

  • 現状の数値を常に把握
    KPIの数値を設備付近や作業場に設置されたメータや電光掲示板で表示し、リアルタイムで確認可能にします。
  • 全員がKPIを共有
    作業員全体が現在の目標と状況を意識できるようにし、業務効率を維持・改善します。

KPI確認のメーターKPI電光掲示板

部門でのKPIマネージメント

部門レベルでは、リーダーや管理職がKPIを時系列で確認し、安定的な業務遂行と改善をリードします。

部門管理職の役割

  • 実施計画表の作成:
    自部門の実施計画表を作成します。
  • 原因の特定と是正
    KPIが悪化した場合、その原因を追求し、迅速に是正します。
  • 目標達成のための施策
    現場と連携してKPI向上のための具体策を立案・実行します。
  • 効果測定
    実施した施策の効果を時系列データで確認し、効果が不十分な場合は新たな方法を検討します。

KPI_部門KPI実施計画

経層でのKPIマネージメント

経営層では、全社的な目標を達成するため、各部門のKPIを統括的に管理します。

経営層の取り組み

  • 全社目標の達成可否の判断
    現場と部門のKPIを統合的に分析し、追加アクションや目標変更を指示します。
  • 実施計画表承認
    部門間の連携を図りながら、上位方針が達成可能かどうか判断して各部門の実施計画表を承認します。

実際の製造業でのKPI活用事例

OEE(総合設備効率)の導入成功例

ある製造業では、OEEをKPIに設定し、以下の成果を上げました。

  • 稼働率の改善:ダウンタイム削減で生産効率15%向上。
  • 品質向上:不良率が20%削減。

KPIレビューの頻度と重要性

製造業では、KPIレビューは現場に近いほど頻度が高くなります。

  • 日次レビュー:現場の業務進捗を即時に確認。
  • 週次・月次レビュー:部門レベルでの進捗を確認。
  • 四半期レビュー:経営層による全社目標の見直し。

定期的なレビューを実施し、問題点を早期に発見・対応することが重要です。

KPIレビューの頻度

KPIマネージメントを成功させるポイント

える化の徹底

  • 作業現場での数値表示ツールやデジタル掲示板を活用。

レビューの定例

  • 定期的なミーティングで、KPI進捗を全員で共有。

中期経営計画との連動

  • KPIを方針管理とリンクさせ、全社的な戦略と整合性を持たせる。

まとめ

KPIマネジメントは、組織全体の目標達成を支える重要な手法です。特に、大規模な組織では中期経営計画と連携し、方針管理の一環として活用されています。この方針管理は、日本独自の経営手法として発展してきたもので、改善活動や5Sと同様に「Hoshin-Kanri」として海外でも高く評価されています。

グローバル企業でも注目されるこの方針管理を活用し、KPIマネジメントを取り入れることで、組織の目標達成をより効果的に進めることができます。ぜひ、貴社でもKPIマネジメントを導入し、経営の質をさらに高めてみてはいかがでしょうか?

 

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